税額が確定したら、次は納付です。原則としていつまでに納めるのか、そして担保を提供して納期限を延ばす延納制度。輸入許可との関係を意識して押さえましょう。
関税の世界では、納付と輸入の許可が密接に結びついています。原則として、まず関税を納めてから輸入の許可を受ける、という順序になっているのです。これは、貨物を国内へ引き取らせる前に税を確保しておくという、確実な徴収のための仕組みといえます。一方で、事業者にとっては、輸入のたびに即座に全額を用意するのは負担が大きい場合もあります。そこで、まとめて申告・納付できる特例申告や、担保を提供して納期限を延ばす延納といった制度が設けられています。この記事では、原則の許可前納付を軸にしながら、特例申告貨物の納期限や延納制度を、担保との関係も含めて整理していきます。
先生、関税っていつ払うの?
貨物を輸入するそのときに払うの?
それとも、あとでまとめて請求が来る感じ?
タイミングがいまいちピンとこないんだよね。
申告納税方式では、原則として輸入の許可を受ける前に関税を納付するのよ。
お金を納めて、はじめて貨物を引き取れる、というイメージね。
だから『許可前納付』が基本形なの。
へぇ、先にお金を払わないと、貨物を出してもらえないんだ。
ちょっと厳しいけど、確実に取りっぱぐれないようにってことか。
そういうことね。
納付と許可がセットで動くのが原則。
まずはこの『許可の前に納める』という形をしっかり頭に入れておいてね。
ここから例外を枝分かれさせていくのよ。
つまり原則は許可前に納付、と。
ただし、後でまとめて申告する特例申告貨物のような場合は、納める期限もずれてくるのですよね?
そうなの。
特例申告貨物は、輸入の許可の日の属する月の翌月末日が、申告と納付の期限になるの。
許可のたびにその場で払うのではなく、翌月にまとめて精算する、という仕組みね。
事業者の事務負担を軽くする趣旨よ。
うぅ〜ん…でも、いっぺんに全部払うのが大変なときも、あるよねぇ?
資金繰りが苦しいときとか…そういうときは、どうするのぉ?
いいところに気づいたわね。
そのために延納制度があるの。担保を税関に提供すれば、納期限をうしろに延ばしてもらえるのよ。
すぐに全額を用意できなくても、貨物を動かせるようにする配慮ね。
よっしゃ!
それ助かるやつだ。
で、どのくらいの期間、延ばせるの?
ずーっと延ばせるわけじゃ、ないよね?
もちろん無制限ではないわ。
個別の延納なら、原則として輸入の許可の日の翌日から3か月以内。
さらに、一定期間分の関税をまとめて延ばす、包括延納という仕組みもあるのよ。
補足すると、延納には担保の提供が条件で、無条件に延びるわけではないのですね。
担保があるからこそ、税関も安心して延長を認められる、という関係でしょうか。
その通りよ、さやちゃん。
担保という裏付けがあるから、税関も納期限の延長を認められるの。
だからこの論点は、次の担保の話と必ずセットで問われるわ。
あわせて押さえておいてね。
それって…払うタイミングを、担保を差し出すことで、うしろにずらしてもらう制度…ってことなのぉ?
ふふっ、うまい言い方ね。
原則の納付時期を軸にして、そこに特例申告の翌月末日と、担保つきの延納をぶら下げて覚える。
そうすれば、納付まわりはきれいに整理できるわ。
ちなみに、延納したら、遅れた分の利息みたいなのは取られちゃうの?
延ばしてもらうんだから、その分お金がかかりそうだけど。
延納は、正式に納期限そのものを延ばす制度だから、延ばした期間は延滞税の対象にならないのが原則よ。
うっかり払い忘れる滞納とは、性格がまったく違うのね。
ここは次に学ぶ延滞税と、しっかり対比しておきましょう。
確認クイズ
関税の納付と延納に関する記述として、正しいものはどれか。
- 申告納税方式では、原則として輸入の許可を受けた後に関税を納付する
- 延納制度を利用する場合でも、担保の提供は一切不要である
- 延納制度は、担保の提供を条件に関税の納期限を延長する制度である
- 特例申告貨物の関税は、輸入申告と同時に必ず即納しなければならない
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正解: 3. 延納制度は、担保の提供を条件に関税の納期限を延長する制度である
延納は担保の提供を条件に納期限を延長する制度です。よって選択肢3が正しいです。申告納税方式は原則として許可前納付(選択肢1は誤り)、延納には担保が必要(選択肢2は誤り)、特例申告貨物の納期限は原則として許可の日の属する月の翌月末日です(選択肢4は誤り)。