今度は逆に、外国から来た貨物を国内に引き取るまでの流れです。輸入通関は輸出と違い『納税』というステップが入るのが最大の特徴。二つの流れを並べて眺めると、共通点と相違点がくっきり見えてきます。
せんせぇ、輸入は、輸出をそのまま逆さまにすればいいんですかぁ?
矢印の向きを変えるだけ、みたいなぁ。
半分正解ね、ねむちゃん。
流れの骨格は輸出とよく似ているの。
でも輸入には、輸出にはない大事なステップが一つ加わるのよ。
何だと思う?
ヒントは、外国から物が入ってくるときに国が求めるもの。
えーっと…あ、お金!
関税を払うやつでしょ?
外国から買うんだから税金いるよね。
その通り、鋭いわ。
輸入は関税や輸入時の消費税を納める納税が入るの。
だから流れは、搬入・申告・審査検査・納税・許可、という五段階になるわ。
輸出の五拍子に『納税』が食い込んでくる、とイメージして。
整理させてください。
外国から着いた外国貨物をまず保税地域等に入れ、輸入申告を行い、税関の審査・検査を受け、関税等を納付して、最後に輸入の許可を受ける。
この理解で合っていますか?
ええ、その順番で完璧よ。
ポイントは、原則として輸入申告は貨物を保税地域等に入れた後に行うこと。
輸出は許可までに保税地域へ入れる形だったけれど、輸入は先に入れてから申告、という感覚の違いがあるの。
どうして輸入は先に保税地域へ入れるんですかぁ?
申告してからでもよさそうですけどぉ。
税関が現物を確認しやすいように、いったん決められた場所へ集めるのよ。
外国から来た貨物は中身の確認がとりわけ重要でしょう。
検査が必要になったときにすぐ調べられるよう、まず保税地域に納めてもらうの。
そして輸入の許可を受けると、外国貨物が内国貨物に変わり、国内で自由に引き取れるようになる。
輸出の許可とちょうど対になっていますね。
鏡写しのようです。
おおー、許可でパチンと身分が切り替わるのは輸出と同じか。
違うのは、その手前に『お金を払う』が挟まることね。
だいぶスッキリしてきた!
その理解でばっちりよ、アキちゃん。
輸出は許可までが山場、輸入は納税と許可が山場。
原則として、関税等を納付しなければ輸入の許可は下りないの。
お金を納めて初めてゴール、と覚えてね。
例外はありますか?
たとえば、どうしても納税前に貨物を引き取りたい場合など、実務では起こりそうです。
あるわ。
担保を提供して許可前に引き取る制度や、納税をまとめて後回しにできる特例申告があるの。
急ぎの実務を支える仕組みね。
それは後の回でじっくり扱うから、今は原則の五段階を固めましょう。
せんせぇ、輸入の許可って、税関長からの一方的な通知でおしまい、なんですかぁ?
なんだかそっけない気もしますぅ。
いい問いね、ねむちゃん。
許可は税関長の処分だけれど、その前に納税者がきちんと申告し、審査を受け、関税を納める、という積み重ねがあるでしょう。
だから一方的というより、手続を全部こなした先にもらえる到達点なの。
つまり輸入者の側の申告と納付があって、それを税関が確認して許可する、という双方向のやり取りなのですね。
輸出も輸入も、申告が起点である点は共通していますね。
見事な整理よ、さやちゃん。
起点は必ず申告。
輸出は許可で外国貨物へ、輸入は納税と許可で内国貨物へ。
向きは逆でも、申告に始まり許可に終わる骨格はそっくりなの。
要は、申告スタート・許可ゴールは共通で、輸入だけ途中に納税が挟まるってことね。
並べたら一気に分かりやすくなった!
その理解が両者を貫く一番の近道よ。
二つを別々に丸暗記せず、対にして覚えるの。
そうすれば、細かい特例が出てきても迷わないわ。
了解!
まずは搬入・申告・審査検査・納税・許可の五段階。
輸出との違いは『納税』が入ること。
バッチリ覚えたよっ。
確認クイズ
輸入通関手続に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 輸入申告は、貨物を保税地域等に入れる前に行うのが原則である
- 輸入の許可により、外国貨物が内国貨物となる
- 輸入では関税を納付しなくても常に許可を受けられる
- 輸入の許可を受ける前でも、原則として自由に貨物を国内で消費できる
こたえを見る
正解: 2. 輸入の許可により、外国貨物が内国貨物となる
正解は選択肢2。輸入の許可で外国貨物が内国貨物となります。輸入申告は原則として保税地域等に入れた後に行い(選択肢1は誤り)、原則は関税等の納付が許可の前提で(選択肢3は誤り)、許可前に自由に引き取ることは原則できません(選択肢4は誤り)。