延納や輸入許可前引取りなど、税関が支払いの確実性を確保したい場面では担保が求められます。どんなときに、どんな種類の担保を提供するのか、整理しましょう。
これまでの記事にも、担保という言葉が何度か登場してきました。延納で納期限を延ばすとき、輸入許可前引取りの承認を受けるとき、いずれの場面でも担保が顔を出します。担保とは、関税が確実に納付されるように、あらかじめ税関へ差し出しておく保証のことです。もし関税が納められなければ、税関はその担保を処分して、代金を未納の関税に充てます。だからこそ担保には、確実な価値と、いざというときに換金できる性質が求められるのです。担保として認められるものには、金銭や有価証券、不動産といった物のほか、保証人や銀行の保証もあります。この記事では、担保が必要となる場面と種類、そして納付できないときの扱いを整理していきましょう。
先生、さっきから何度も出てくる『担保』って、具体的には何を差し出すことなの?
とりあえずお金を預ける、みたいなイメージであってる?
いい質問ね。
関税の担保というのは、納付が確実に行われるように、あらかじめ税関に差し出しておく保証のことよ。
お金だけとは限らないの。
もっといろいろな形があるのよ。
そもそも、どのような場面で担保の提供が求められるのでしょうか。
すべての輸入で必要になる、というわけではないですよね。
もちろん、いつでも必要なわけではないわ。
たとえば延納、輸入許可前引取りの承認、徴収の猶予、保税運送など、支払いや貨物の管理について、確実性を確保しておきたい場面で求められるのよ。
うぅ〜ん…実際に差し出せるものって、どんなものがあるのぉ?
やっぱり、現金じゃないとダメなのぉ?
現金だけじゃないのよ、ねむちゃん。
金銭のほか、国債や地方債などの有価証券、土地や建物、それに税関長が確実と認める保証人の保証や、銀行等の保証など、いろいろな種類が法律で定められているの。
えっ、現金以外もOKなんだ!
よっしゃ、いろいろ使えるんだね。
じゃあ、どんなものでも担保にできるってこと?
どんなものでも、というわけではないの。
価値が確実で、いざというときにお金へ換えやすいものが求められるのよ。
だからこそ、担保にできる種類が法律できちんと定められているのね。
何でもよい、ではないわ。
保証人の保証でも、担保になるのぉ?
人が担保になるなんて、なんだかちょっと、ふしぎな感じ…
税関長が確実と認める保証人ならね。
銀行の保証も、実務ではよく使われるわ。
土地や有価証券のような『物』だけでなく、信用という目に見えないものも担保になり得る、というのは面白いところよね。
補足すると、担保を提供した者が、結局その関税を納めなかった場合には、その担保はどうなるのでしょうか。
差し出しっぱなし、ということはないですよね。
いい着眼点ね。
関税が納付されないときは、税関長がその担保物を処分、つまり換価して、その代金を未納の関税に充てるの。
だからこそ、担保にはきちんとした価値が必要なのよ。
それって…約束を守れなかったときに備えて、価値のあるものを、あらかじめ預けておく仕組み…ってことなのぉ?
ふふっ、その通りよ。
『どんな場面で提供するのか・何を提供できるのか・守れなければ換価される』この三点で押さえておけば、担保のところはばっちりよ。
確認クイズ
関税の担保に関する記述として、正しいものはどれか。
- 担保として提供できるのは金銭に限られ、有価証券や土地は認められない
- 担保は、延納や輸入許可前引取りの承認などの場面で提供が求められることがある
- 担保を提供すれば、関税を納付しなくても担保が処分されることはない
- 銀行の保証や保証人の保証は、関税の担保として一切認められない
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正解: 2. 担保は、延納や輸入許可前引取りの承認などの場面で提供が求められることがある
担保は延納や輸入許可前引取りの承認などの場面で求められます。よって選択肢2が正しいです。担保には有価証券や土地なども認められ(選択肢1は誤り)、納付されなければ担保は換価・充当され(選択肢3は誤り)、銀行等の保証も担保になります(選択肢4は誤り)。