納期限までに関税が納められないと、国は徴収の手続に入ります。督促から滞納処分へと進む流れは、順序で覚えるのが近道です。国税徴収法との関係も確認しましょう。
税額が確定し、納期限が来ても関税が納められない。そのようなときに、国が最終的にどうやって税を回収するのかを定めているのが、この徴収の手続です。もっとも、いきなり財産を差し押さえるわけではありません。まずは書面で納付を促す督促があり、それでも納められない場合に、はじめて滞納処分へと進みます。この流れには、督促を経なければ差押えができないという順序の厳格さがあり、また滞納処分そのものは国税徴収法の例によって行われるという特徴があります。この記事では、督促から差押え、そして換価へと至る一連の流れを、日数や順序に注意しながら整理していきます。
先生、もし関税を期限までに払わなかったら、どうなっちゃうの?
いきなり財産を差し押さえられて、持っていかれちゃうの?
ちょっとこわいんだけど。
いきなりではないわ、アキちゃん。
安心してね。
ちゃんと段階を踏むのよ。
焦らなくていいわ、順番で理解すれば、この分野はちっとも怖くないから、一緒に流れを追っていきましょう。
まず、納期限までに完納しないと、税関長は督促をするの。
督促状という書面を送って、『早く納めてくださいね』と促す段階ね。
いきなり実力行使ではなく、まずは呼びかけから始まるのよ。
つまり、督促はいきなりの差押えではなく、その前段階の催告処分、という理解で合っていますか?
この督促には、何か法的に重要な意味があるのでしょうか。
合っているわ。
しかも督促は、後の差押えの前提になる、とても重要な手続なの。
原則として、この督促を飛ばして、いきなり差押えに進むことはできないのよ。
だから手続の順序として絶対に外せないの。
うぅ〜ん…督促をしても、それでも払わなかったら、次はどうなっちゃうのぉ?
いよいよ差し押さえ、なのぉ?
それでも完納しないと、いよいよ滞納処分に進むの。
督促状を発した日から10日を経過した日までに納めないと、財産の差押えができるようになるのよ。
ここで初めて実力行使の段階に入るのね。
10日か…その日を過ぎたら、いよいよ差し押さえなんだね。
じゃあ、その10日っていう数字は、けっこう大事な数字なんだ。
そうなの。
この『10日』という数字は、試験でも問われやすいから、しっかり覚えておいてね。
督促状を発した日から10日を経過した日まで、というセットで押さえるといいわ。
差し押さえたあとは、どうなるの?
そのまま国が持っておくの?
それとも、お金に換えるの?
差し押さえた財産を公売などで換価して、その代金を未納の関税に充てるの。
そしてこの一連の手続は、国税徴収法の例によって行われるのよ。
関税だけの特別なやり方ではないのね。
国税のやり方を、借りてくる…ってことなのぉ?
関税には、関税だけの独自ルールがあるのかと思ってたよ。
そうよ、ねむちゃん。
滞納処分の細かい手続は、国税徴収法の例によるのが原則なの。
だから、国税の滞納処分と共通する部分がとても多いのよ。
あちらを勉強していれば、こちらにも応用が効くわ。
補足すると、督促を欠いたまま行った差押えは、手続的にできない、という順序の厳格さがこの分野のポイントですね。
その通り。
督促、そして10日の経過、差押え、換価、という順序を、必ず自分の言葉で言えるようにしておきましょうね。
流れさえ押さえれば、応用問題にも対応できるわ。
確認クイズ
関税の徴収に関する記述として、正しいものはどれか。
- 税関長は、督促を経ることなく直ちに滞納者の財産を差し押さえるのが原則である
- 督促は、滞納処分(差押え)の前提となる手続である
- 差し押さえた財産は換価できず、そのまま国が保管し続ける
- 関税の滞納処分は、関税法のみによって行われ、国税徴収法とは無関係である
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正解: 2. 督促は、滞納処分(差押え)の前提となる手続である
督促は滞納処分の前提となる手続で、原則として省略できません。よって選択肢2が正しいです。差押えには督促が前提(選択肢1は誤り)、差押財産は公売等で換価されます(選択肢3は誤り)。滞納処分は国税徴収法の例によります(選択肢4は誤り)。