関税を納めて輸入の許可を受ければ、貨物は晴れて内国貨物。でも実務では、許可を待たずに先に引き取りたい事情もあります。そのための制度が、担保を差し入れて行う輸入許可前引取り、通称BP承認です。急ぎのニーズにどう応えるのか見ていきましょう。
せんせぇ、輸入の許可って、そんなに大事なものなんですかぁ?
ただの手続の一つ、じゃないんですかぁ?
とても大事な節目なのよ、ねむちゃん。輸入の許可を受けて初めて、外国貨物が内国貨物になって、国内で自由に使えるようになるの。
原則は関税等を納めてから許可、という順番ね。
許可は、通関手続のゴールテープのようなものよ。
でもさ、納税の計算とか審査に時間がかかったら、その間ずっと荷物を引き取れないの?
生ものとか、待ってる間に傷んじゃうじゃん!
困るでしょ!
アキちゃん、まさにそこが実務の悩みどころなの。
だからそういうときのために輸入許可前引取りという制度が用意されているの。
BP承認とも呼ばれるわ。
許可が下りる前でも、先に貨物だけ引き取れる仕組みよ。
BPはBefore Permit、つまり許可の前という意味ですね。
ただ、何の条件もなしに先に引き取れるはずはありません。
どんな要件が課されるのですか?
その通り、ちゃんと条件があるの。担保を税関長に提供して、税関長の承認を受けること。
担保があるから、後で税額が確定しても国は取りっぱぐれない。
だから先に引き取らせても安心、というわけね。
担保の提供と承認、この二つがセットよ。
なるほどぉ。
お金そのものの代わりに担保を預けて、先に荷物だけもらう感じなんですねぇ。
よくできていますぅ。
その引き取った貨物は、輸入が許可されるまでの間、どう扱われるのですか?
もう手元にあるのだから内国貨物になっているのでしょうか。
いい質問ね、さやちゃん。
ここが最大の要注意ポイントなの。
BP承認で引き取っても、輸入の許可を受けるまでは、その貨物は外国貨物とみなされるの。
まだ許可というゴールテープを切っていないからよ。
手元にあっても身分は外国貨物のまま。
えっ、自分の倉庫に置いてあるのに、まだ外国貨物なの?
ややこしすぎない?
目の前にあるのに!
第一回を思い出して、アキちゃん。
身分は『手元にあるかどうか』ではなく『許可を受けたかどうか』で決まるの。
だからBPは『物は先に、身分は後で』という制度と覚えるといいわ。
物理的な引き取りと、法律上の許可を切り離しているのがミソなの。
つまり後日あらためて税額が確定し、正式な輸入の許可を受けて手続が完結する、という流れで合っていますか?
先に引き取っても、納税と許可はきちんと後からやってくる、と。
ええ、その理解で完璧よ。
担保を提供して先に引き取り、税額の確定と輸入の許可でしっかり締めくくる。
急ぎの実務を支えつつ、国の税収も守る。
よくできた制度なの。
せんせぇ、担保って、必ずお金で預けないといけないんですかぁ?
大きな金額だと、用意するのが大変そうですぅ。
お金だけではないのよ、ねむちゃん。
国債などの有価証券や、保証人の保証といった形でも担保にできるの。
要は、後で税額が確定したときに、その支払いを確実にできる裏付けがあればいいのよ。
なるほど、担保の目的は国が取りっぱぐれないようにすることなので、その目的を満たせる形なら手段は複数ある、という理解でよいですね。
その通りよ、さやちゃん。
担保はBP承認の要のひとつ。
だから種類より『なぜ担保が要るのか』を押さえて。
許可前に引き取らせても税収を守るため、と分かれば忘れないわ。
担保はお金以外でもOK、目的は取りっぱぐれ防止!
理由で覚えるとしっくりくるね。
担保を出して先取り、でも許可までは外国貨物!
物は先、身分は後!
よし、これで覚えたっ。
確認クイズ
輸入許可前引取り(BP承認)に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 担保を提供する必要はなく、税関長の承認だけで引き取れる
- 担保を提供し税関長の承認を受けて、輸入の許可前に貨物を引き取る制度である
- 引き取った貨物は、その引取りの時点で直ちに内国貨物となる
- 輸入の許可を受けた後の貨物についてのみ利用できる制度である
こたえを見る
正解: 2. 担保を提供し税関長の承認を受けて、輸入の許可前に貨物を引き取る制度である
正解は選択肢2。BP承認は担保の提供と税関長の承認により、許可前に貨物を引き取る制度です。担保は必要で(選択肢1は誤り)、引き取っても許可までは外国貨物とみなされ(選択肢3は誤り)、そもそも許可前に引き取るための制度です(選択肢4は誤り)。