申告納税方式では、まず納税者の申告で税額が決まります。その申告に誤りがあったり、そもそも申告がなかったりするとき、税関長が是正します。更正・決定・更正の請求を、主語と原因で区別しましょう。
申告納税方式は、納税者自身が税額を計算して申告することで、原則としてその税額が確定するという仕組みです。とはいえ、人が計算する以上、間違いは避けられませんし、なかにはわざと少なく申告する人もいるかもしれません。そこで、申告された税額が正しいかどうかを税関長が確かめ、必要があれば直すための手続が用意されています。それが更正であり、申告そのものがない場合の決定です。反対に、納税者の側から「多く納めすぎたので直してほしい」と求める更正の請求もあります。この記事では、これら三つを「誰が行うのか」という主語と、「何が原因なのか」という切り口で、混同しないように整理していきます。
先生、申告納税方式では税額は納税者の申告で確定しますよね。
もし、その申告した税額が間違っていた場合、いったい誰が、どのように直すのでしょうか。
税関長が直すのよ。
納税者の申告した税額が、税関長の調査したところと異なるとき、税関長が行う是正のことを更正というの。
納税者の申告を、正しい額へと直してあげる処分ね。
更正って、足りないぶんを増やすときのこと?
それとも、払いすぎたぶんを減らすときのこと?
どっちを指すの?
どちらもあるのよ。
足りなければ増額更正、納めすぎていれば減額更正。
増やす方向だけでなく、減らす方向もあるの。
両方向あるというのが、とても大事なポイントなのよ。
へぇ!
税関のほうから『取りすぎてたから返すね』ってこともあるんだ。
なんか、意外とフェアなんだね。
そうなの。
更正は納税者に不利にも有利にも働くの。
だから『更正イコール増額』と単純に思い込むと、ひっかけ問題でつまずくわ。
減額更正もある、と必ずセットで覚えておいてね。
うぅ〜ん…じゃあ、そもそも申告そのものを、まったくしなかった人は、どうなっちゃうのぉ?
ほうっておかれるわけじゃ、ないよね?
申告すべき人が申告しないときは、税関長が税額を決定するの。
更正は『申告はあるけれど誤りがある』場合、決定は『そもそも申告がない』場合。
この違いを絶対に取り違えないでね。
つまり、更正は既にある申告の是正、決定は申告そのものの欠如への対応、という整理で合っていますか?
どちらも処分をするのは税関長ですよね。
合っているわ。
主語はどちらも税関長で共通、違いは『申告があるかないか』だけ。
この一点で更正と決定を切り分けられるようにしておけば、迷わないわよ。
じゃあ逆に、こっち側、つまり納税者のほうから『それ、間違ってるよ』って言うことはできないの?
ずっと税関からの一方通行なの?
ちゃんとできるのよ。
それが更正の請求。
納税者の側から、税額が過大であることを理由に、原則として法定納期限等から5年以内に『直してください』と求められるの。
一方通行ではないのね。
それって…間違いは、税関からも納税者からも直せる、両方向の仕組み…ってことなのぉ?
なんだか安心したよ。
ふふっ、その通り。
更正・決定は税関長が主語、更正の請求は納税者が主語。
主語と原因の二つの軸で、三者をスッと言い分けられるようにしておきましょうね。
補足すると、更正の請求はあくまで『請求』であって、それを認めるかどうかは税関長の判断ですよね。
請求したら自動的に税額が下がるわけではない、と。
その通りよ。
請求を受けて、税関長が減額更正をして、はじめて税額が下がるの。
請求と処分は別物、という手続の流れまで押さえておくと完璧よ。
確認クイズ
申告納税方式における更正・決定に関する記述として、正しいものはどれか。
- 決定とは、納税申告があった場合にその税額を是正する処分である
- 更正には増額更正はあるが、減額更正は存在しない
- 更正とは、納税申告はあるが税額が税関長の調査と異なるときに税関長が行う是正である
- 更正の請求は、税関長のみが行うことができる
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正解: 3. 更正とは、納税申告はあるが税額が税関長の調査と異なるときに税関長が行う是正である
更正は、申告はあるが税額が調査と異なるときに税関長が行う是正で、増額・減額の両方向があります。よって選択肢3が正しいです。決定は申告がない場合の処分(選択肢1は誤り)、更正には減額更正もあり(選択肢2は誤り)、更正の請求は納税者側が行う手続です(選択肢4は誤り)。