輸入してから『税率が違った』『分類を間違えた』では大損害です。そこで、輸入する前に税関へ確認しておける仕組みが事前教示制度、そして到着前に手続を進めておく予備申告です。トラブルを未然に防ぐ二つの制度を、目的の違いに注意しながら見ていきましょう。
輸入する前に『これって関税いくら?』って税関に聞けたら、めっちゃ安心なのになぁ。
事前に分かればビクビクしなくて済むのに。
それが、ちゃんとできるのよアキちゃん。事前教示制度というの。
輸入する前に、あらかじめ税関へ確認しておける仕組みなの。
アキちゃんの願いは、もう制度になっているというわけ。
何について照会できるのですか?
関税率だけですか、それとも品目分類なども含まれますか?
いいえ、もっと広いのよ。
関税率表のどこに分類されるかという品目分類、適用される関税率、原産地、それに課税価格の計算方法など、輸入の前に知っておきたい要点をまとめて照会できるの。
取引の計画を立てるのに必要な情報が、あらかた確認できるというわけ。
口で聞くのと、書類できちんともらうのって、何か違いがあるんですかぁ?
どっちでもいいのぉ?
そこに大事な違いがあるの、ねむちゃん。
口頭やメールでも尋ねられるけれど、文書による事前教示で回答をもらうのがいちばん確実なの。
文書での回答は、原則として一定の期間、実際の通関の際に尊重される扱いになるのよ。
だから重要な取引ほど文書で取っておくの。
つまり文書回答を得ておけば、いざ輸入するときに、その回答の内容が基本的に通用するという理解で合っていますか?
口頭よりも後ろ盾が強い、と。
ええ、そういう安心材料になるの。
あらかじめ分類や税率が固まっていれば、企業は予想外の税額に慌てずに済むでしょう。
予測可能性が高まるから、安心して取引の計画を立てられる。
これが制度の狙いなの。
じゃあ次の『予備審査』ってのは何?
名前がちょっと似てるけど、また別の制度なの?
関係はするけれど別物ね。予備申告といって、貨物が着く前に申告する予定の内容を出しておき、審査や検査が必要になりそうかを先に確認しておく仕組みよ。
事前教示が『中身の判断の確認』なら、こちらは『手続の段取りの前倒し』なの。
貨物が着く前に、下ごしらえをしておく感じなんですかぁ?
先にお膳立てしておくみたいなぁ。
うまい言い方です。
到着前に段取りを済ませておけば、貨物が実際に着いてすぐ本申告に移れて、通関がぐっと速くなりますね。
時間の節約になります。
その通りよ、さやちゃん。
事前教示は『中身の判断を先に確認』、予備申告は『手続の段取りを先に用意』。
目的は少し違うけれど、どちらも先手を打って通関を円滑にするための制度なの。
二つをきちんと区別して覚えてね。
せんせぇ、文書でもらった事前教示の回答って、ずっと有効なんですかぁ?
何年も前の回答でも、いつでも使えるのぉ?
いい着眼ね、ねむちゃん。
文書の回答が尊重されるのは、原則として一定の期間なの。
時がたてば法令や状況も変わるでしょう。
だから永久ではなく、決められた期間の中で頼りにできる、という扱いよ。
つまり、期限があるからこそ、輸入の予定に合わせて早めに照会しておくのが賢い、という理解でよいですか?
ぎりぎりでは間に合わないこともありそうです。
その通りよ、さやちゃん。
事前教示は前もって使ってこそ生きるの。
分類や税率を先に固めておけば、取引の見通しが立ち、通関当日に慌てずに済む。
先手を打つ制度、と覚えてね。
回答は期限つき、だから早めに照会!
先手必勝ってことね。
バドの試合と同じで、準備が大事なんだ。
中身の確認は事前教示、段取りの前倒しは予備申告!
ふたつセットで、でも役割は別モノ!
覚えたっ。
確認クイズ
事前教示制度に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 輸入した後に、納めすぎた関税の返還を求めるための制度である
- 輸入前に品目分類や関税率などを税関に照会し、回答を受けられる制度である
- 貨物の到着前に、審査検査の要否だけを確認するための制度である
- 税関長が職権で一方的に税額を確定する処分である
こたえを見る
正解: 2. 輸入前に品目分類や関税率などを税関に照会し、回答を受けられる制度である
正解は選択肢2。事前教示制度は輸入前に品目分類・関税率・原産地・課税価格の計算方法などを照会し回答を受ける制度です。選択肢1は還付、選択肢3は予備申告(予備審査)、選択肢4は賦課課税方式の決定に近い説明で、いずれも別の制度です。