いったん申告した税額が、あとで『少なすぎた』『多すぎた』と気づいたら、どうすればよいのでしょうか。修正申告と更正の請求は方向が正反対。ここを取り違えると必ず失点しますので、増やすのか減らすのか、向きで覚えてしまいましょう。
申告した後で計算まちがいに気づいたら、もうアウトなの?
一発勝負でやり直しきかないの?
こわいんだけど。
大丈夫、ちゃんと直せるのよアキちゃん。
まず出発点が納税申告ね。
前回学んだ申告納税方式で、最初に自分が行う申告のこと。
ここでの金額が後で誤っていたら、間違いの向きに応じて二つの直し方があるの。
その二つが、税額を増やす方向の修正申告と、税額を減らす方向の更正の請求、という理解で合っていますか?
向きが正反対なのですね。
さすがさやちゃん、ずばりよ。
申告した税額が少なすぎたとき、つまり本来より足りなかったときは修正申告。
自分で不足分を上乗せして直すの。
納税者が自分の行為で税額を増やせる、というのがポイントよ。
じゃあ逆に、払いすぎ…つまり税額を多く申告しすぎちゃったときは、どうするの?
そのときが更正の請求よ。
多く申告してしまったから減らしてほしい、と税関長にお願いする形なの。
ここが修正申告と決定的に違うところ。
減らす方は自分で勝手に直すのではなく、請求して税関長に判断してもらうの。
うぅ〜ん…修正申告は自分でサッと直せて、更正の請求はお願いする、って違いですかぁ?
なんで減らす方だけお願いなんですかぁ?
鋭いです。
修正申告は税額を増やす方向なので国に不利になりませんが、更正の請求は税収が減る方向です。
だから納税者が勝手に減らすのではなく、税関長が内容を調べて正しいと認めて初めて減額の更正がなされる、という慎重な仕組みなのだと思います。
さやちゃんの理解、見事よ。
まさにそういう趣旨なの。
税関長の側から誤りを正す処分が更正。
増額の更正も減額の更正もあるわ。
そして申告そのものがないときに税関長が税額を確定するのが決定、と押さえておいてね。
うわ、言葉が似ててもう混ざる…修正申告と更正、どっちがどっちだっけ。
頭こんがらがってきた。
落ち着いて、アキちゃん。
切り分けのコツがあるの。
『申告』と付くのは納税者の行為、『更正』は税関長の処分、と主語で分けるのよ。
修正申告の主語は納税者、更正の主語は税関長。
主語さえ見れば、もう混ざらないわ。
更正の請求には、期間の制限もありますね。
いつまでも過去に遡って請求できるわけではない、と聞きました。
ええ、そのとおり。
原則として法定納期限などから一定の期間内、原則5年以内という枠があるの。
細かい数字より、まずは『過少なら修正申告、過大なら更正の請求』という向きをしっかり固めてね。
向きさえ間違えなければ、この論点は取れるわ。
せんせぇ、もし申告そのものを、うっかり忘れちゃった場合はどうなるんですかぁ?
修正申告も更正の請求も、最初の申告があってこそ、ですよねぇ?
鋭いわ、ねむちゃん。
申告がまったくない場合は、修正申告でも更正の請求でもなく、税関長が税額を確定する決定という処分になるの。
申告がないなら、国の側が動いて税額を決める、というわけね。
整理すると、申告があってその金額が誤っていれば修正申告や更正の請求、そもそも申告がなければ税関長の決定、という住み分けですね。
起点があるかないかで手続が変わる、と。
完璧な整理よ、さやちゃん。
納税者の行為が修正申告と更正の請求、税関長の処分が更正と決定。
主語と、申告の有無。
この二つの軸で並べれば、似た言葉ももう混ざらないわ。
申告アリなら修正申告か更正の請求、申告ナシなら決定!
軸で並べると一気に整理できるね。
過少なら増やす修正申告、過大なら減らす更正の請求!
主語は納税者!
向きと主語で覚えたっ。
確認クイズ
申告した税額が過大であった場合に、納税義務者がとるべき手続として最も適切なものはどれか。
- 修正申告により税額を減額する
- 更正の請求により減額の更正を求める
- 決定を申請して税額を確定させる
- 何もできず、過大な税額をそのまま納付するしかない
こたえを見る
正解: 2. 更正の請求により減額の更正を求める
正解は選択肢2。税額が過大なときは更正の請求で減額を求めます。修正申告は税額が過少なときに増額する手続で(選択肢1は誤り)、決定は申告がない場合に税関長が行う処分(選択肢3は誤り)、過大なまま放置する必要はありません(選択肢4は誤り)。