関税には、価格に率を掛ける従価税のほかに、数量に単価を掛ける従量税があります。さらに両者を比べて高い方を採る選択課税や、両方を合算する複合関税も。それぞれの仕組みと計算のちがいを会話で整理します。従価税だけを知っていればよい、と思っていると足をすくわれるのがこの論点です。従量税は価格ではなく重さや個数といった数量が計算の土台になるため、値段が安くても税額が大きくなることがあります。さらに、選択課税と複合関税は名前がよく似ているのに、片方は『高い方を選ぶ』、もう片方は『両方を足す』という正反対の操作をします。この違いを問題文のキーワードから読み分けられるかどうかが得点の鍵です。選択課税では必ず二通り計算してから比べる、というクセをつけることも大切。仕組みを一つずつ整理して、どの課税方法が来ても落ち着いて対応できるようにしていきましょう。
先生、関税ってどれも『価格×率』で計算するものだと思ってたけど、違うパターンもあるの?
あるのよ、アキちゃん。
価格に率を掛けるのが従価税、数量に単価を掛けるのが従量税なの。
従量税はたとえば『1キロあたり何円』という形で、重さや個数が計算の土台になるわ。
うぅ〜ん…1キロあたり何円…って、値段じゃなくて重さで税金が決まるってことぉ?
なんだか不思議なのぉ。
その通りよ、ねむちゃん。
従量税は数量が土台だから、価格が安くても、重ければ税が大きくなることもあるの。
逆に、価格が高くても軽ければ税は小さい。
値段とは別のものさしで測っている、と考えるといいわ。
補足すると、この二つを組み合わせた課税方法もありますね。
両方を計算して高い方を採るのが選択課税、両方を足し合わせるのが複合関税、という理解で合っていますか?
整理が見事よ、さやちゃん。
選択課税は『いずれか高い税率による』もの、複合関税は『従価と従量を合算する』もの。
名前は似ているけれど、片方は選ぶ、片方は足す、と正反対の操作なの。
えっ、選択って高い方を選ぶの?
納める側からしたら、安い方を選ばせてほしいんだけど…なんで高い方なのさ?
気持ちは分かるけれど、選択課税は原則として高い方を採るのよ、アキちゃん。
国内産業を守るなどの目的で、税が高くなる側を適用する仕組みなの。
ここは『安い方だろう』と思い込むと引っかかるから、注意してね。
えへへ、高い方を採る、って覚えておくのぉ。
ふつうに考えると安い方って思っちゃうから、逆に覚えるのが大事なんですねぇ。
つまり、選択課税では従価税額と従量税額を両方計算し、そのうち大きい方を関税額とする、という理解で合っていますか?
片方だけ計算して満足してはいけない、ということですね。
完璧よ、さやちゃん。
だから選択課税の問題は、必ず二通り計算するのが鉄則。
従価だけ、従量だけで手を止めないこと。
両方出してから、大きい方を選ぶ。
では実際の数字で、二通り計算して比べてみましょう。
よし、従価と従量、両方電卓で出して、デカい方を採る!
二通り計算、忘れないぞ!
複合関税って、選択課税とどう違うのぉ?
名前が似てて混乱しちゃうのぉ…
選択は『高い方を選ぶ』、複合は『従価と従量を足す』の。
選ぶか、足すか、が決定的な違いよ。
つまり、同じ二つの税額を出しても、最後の操作が正反対、ということですね。
そうよ。
だから問題文が『いずれか』なら選択、『及び』なら複合、と言葉で読み分けるといいの。
言葉で見分けるんだね。
『いずれか高い』ときは選ぶ、っと。
その通り。
キーワードで判断できるわ。
あと、従量税の単位にも注意してね。
単位って、キロとか個とか、のことぉ?
そう。
1キロあたりか1個あたりかで、掛ける数量が変わるの。
数量の単位は必ず確認して。
補足すると、数量が重量なら重さを、個数なら個数を掛けます。
取り違えると答えが大きくずれますね。
大事な点ね。
単位をそろえてから掛ける。
これは課税価格の計算と同じ心構えよ。
確認クイズ
ある貨物に、従価税5%と従量税200円/kgの選択課税が適用される。課税価格1,000,000円、数量3,000kgのとき、納めるべき関税額はいくらか(原則どおり高い方を採る)。
- 50,000円
- 550,000円
- 600,000円
- 650,000円
こたえを見る
正解: 3. 600,000円
正解は600,000円です。従価税=1,000,000円×5%=50,000円。従量税=3,000kg×200円=600,000円。選択課税は原則として高い方を採るため、600,000円となります。