通関士試験の最後にして最大の関門が「通関実務」です。ここは申告書の作成問題と計算問題が中心で、合否を分ける科目と言われます。ほかの科目が条文の知識を問うのに対し、通関実務は資料を読んで手を動かす実技寄りの科目。まずは何が問われるのか、全体像を会話でつかみましょう。
先生〜、通関実務って名前からしてムズそう…あたし計算苦手なんだけど、ほんとに大丈夫かな?
なんか一気に不安になってきた。
焦らなくていいわ、アキちゃん。
たしかにここは実技寄りだけれど、出るパターンはだいたい決まっているの。
パターンが決まっているということは、練習した分だけ確実に伸びるということよ。
まずは出題形式を三つに分けて、地図を頭に入れましょうね。
つまり、形式ごとに対策を変える、という理解で合っていますか?
闇雲に解くより、種類を分けてから取り組むほうが効率的だと思います。
その通りよ、さやちゃん。
一つ目が申告書作成問題。
輸出申告書と輸入(納税)申告書を、インボイスなどの資料を読んで完成させる問題ね。
二つ目が計算問題。
課税価格や関税額を数値で求めるもの。
三つ目が選択式・語群選択の知識問題よ。
この三本柱を意識するだけで、勉強の見通しがぐっと良くなるの。
うぅ〜ん…ねむ、申告書ってどんなものか、まだ想像つかないのぉ…紙に何かを書き込む感じぃ?
大丈夫、ねむちゃん。
申告書問題は、インボイスという商品の一覧表を見て、品目を分類して金額を計算し、決められた欄に順番どおり入れていく作業なの。
作業ゲームみたいなものね。
手順さえ体に入れば、むしろ点が取りやすい得点源になるのよ。
へぇ、作業ゲームかぁ。
じゃあ計算問題のほうは、具体的に何を出すの?
いきなり難しい公式とか出てこない?
補足すると、輸入では貨物の値段そのものではなく、税金の土台になる金額を求めます。
これを課税価格といいます。
運賃や保険料を足したり、外貨を為替で円に直したりする計算が中心で、特殊な数学は使いません。
四則演算の組み合わせですね。
さすがさやちゃん、先取りね。
課税価格を出して、そこから関税額、さらに消費税額まで求める。
この一本道を、最後の総合演習で完成させるのが目標よ。
難しい理論より、正しい順番で手順を踏めるかが勝負なの。
それって…足し算と掛け算の組み合わせ、ってことぉ?
なんだかそう言われると、ちょっとだけ気が楽になったのぉ。
本質はまさにそこよ、ねむちゃん。
もちろん、どこで足してどこで切り捨てるか、という細かいルールはあるけれど、一つずつ覚えれば必ずできるようになるわ。
だからこの科目は『慣れ』と『反復』が一番効くの。
つまり、知識を暗記するだけの科目ではなく、手を動かして訓練する科目、という位置づけですね。
過去問を繰り返すのが有効だと理解しました。
よっしゃ、なら電卓片手に手順を体で覚えればいいんだね!
バド部のフォーム練習と一緒か。
ちょっとやる気出てきた!
その意気よ、アキちゃん。
フォーム練習にたとえるのは的確ね。
ここは絶対に落とせない科目だから、次回から申告書と計算を一つずつ、丁寧に積み上げていきましょうね。
焦らず、でも確実に。
三本柱は分かったけど、ねむはどれから勉強すればいいのぉ?
全部いっぺんは無理そうぉ…
まずは計算問題と申告書問題を軸にしましょうね。
どちらも手順ものだから、早めに始めて反復するのが効くの。
知識問題は後半でも間に合うわ。
つまり、計算と申告書は毎日少しずつ手を動かし、知識問題は後回しでもよい、という優先順位で合っていますか?
その通りよ。
特に申告書問題は配点が大きいの。
ここを落とすと合格がぐっと遠のくから、逃げずに向き合いましょうね。
配点デカいのか…苦手だからって放っておけないやつだね。
うぅ、覚悟決めるか。
大丈夫、パターン学習で必ず伸びるの。
過去問を何度も解けば、出題の形が見えてくるわ。
過去問って、何回くらい回せばいいのぉ?
一回解いたら終わりぃ?
最低3周が目安ね。
1周目は解き方の理解、2周目で手順の定着、3周目で速度を上げる。
回すたびに役割が変わるのよ。
補足すると、本番は時間との勝負なので、速く正確に手順を回す練習も欠かせませんね。
その通り。
手順が速く正確になるほど、通関実務はむしろ得点源になる。
恐れず積み上げていきましょうね。
確認クイズ
通関士試験で、申告書作成問題と計算問題が中心となって出題される科目はどれか。
- 通関業法
- 関税法等
- 通関実務
- 会計学
こたえを見る
正解: 3. 通関実務
正解は通関実務です。通関実務では輸出入の申告書作成問題と、課税価格や関税額を求める計算問題が中心に問われ、合否を分ける科目とされます。通関業法・関税法等は主に条文知識を問う科目で、会計学は通関士試験の科目ではありません。