輸入(納税)申告書は、課税価格を求めて品目番号ごとに整理し、関税・消費税の計算につなげる作業です。輸出との一番の違いは価格の作り込み。全体の道すじと、課税価格に含めるもの・含めないものの境目を会話で押さえます。輸入では、貨物そのものの値段だけでなく、税金を計算するための土台となる金額を丁寧に組み立てる必要があります。この土台が課税価格で、ここが少しでもずれると、後に続く関税額も消費税額もすべて狂ってしまいます。だからこそ、最初の課税価格の確定がいちばん大事な工程になるのです。逆に言えば、含めるもの・含めないものの線引きさえ正しく身につければ、あとは順番に計算を進めるだけ。まずは全体の流れをつかんで、どこで何をするのかという地図を頭に入れてから、細かい計算に進んでいきましょう。
せんせぇ、輸入の申告書は、輸出のときと何が違うのぉ?
同じ申告書なのに、そんなに変わるものなのぉ?
一番の違いは価格の作り方よ、ねむちゃん。
輸出は積み込むまでの値段でよかったけれど、輸入は税金を計算するから、課税価格という土台を丁寧に組み立てる必要があるの。
ここが輸出との大きな差ね。
つまり、輸出はFOBで単純、輸入はCIFで加算要素まで考える、という理解で合っていますか?
輸入のほうが一段階手間がかかる、というイメージです。
その整理で完璧よ、さやちゃん。
輸入の課税価格は、原則として輸入港に到着するまでの費用を含んだCIFが基礎になるの。
仕入書価格に、輸入港までの運賃・保険料を足すのが出発点ね。
そこにさらに加算する費用があれば足していくわ。
じゃあ、なんでもかんでも足せばいいの?
たとえば港に着いてからの国内の運賃とかも足しちゃうの?
そこが大事な落とし穴よ、アキちゃん。
含めるのは輸入港『到着まで』の費用だけ。
輸入港に着いた後の国内運送料や、国内での据付費用は課税価格に含めないの。
何でも足すわけではないのよ。
ここは絶対に落とせないわ。
うぅ…港に着く前か後か、で分かれるんですねぇ…同じ運賃なのに、場所で扱いが変わるのは、ちょっと難しいのぉ…
補足すると、覚える境目は『輸入港到着』の一点です。
到着前の費用は加算、到着後の費用は不算入。
この線引きを一つ覚えるだけで、たくさんの問題が解けるようになりますね。
その通りよ、さやちゃん。
線引きは『輸入港到着』の一点。
この境目さえぶれなければ、迷ったときも判断できるの。
手順としては、まず課税価格を確定し、次に品目番号ごとに整理して、最後に関税と消費税を計算する。
この一本道を歩むわ。
港に着くまでは足す、着いたら足さない。
要はそこが分かれ道だね!
一点だけ覚えればいいなら、あたしでも忘れなさそう。
きれいにまとめたわね、アキちゃん。
『輸入港到着で線を引く』、これを合言葉にしましょう。
次回からは、その課税価格の中身を一つずつ分解して、CIFの基本から加算要素まで積み上げていくわ。
えへへ、境目は一点、輸入港到着。
呪文みたいに覚えておくのぉ。
『輸入港到着で線を引く』って、具体的にはどんな費用が到着前で、どれが到着後なのぉ?
到着前は海上運賃・航空運賃・保険料ね。
到着後は国内のトラック運賃・倉庫での保管料・据付費などよ。
つまり、船や飛行機で運んでいる間の費用は加算、日本に着いてからの費用は不算入、ということですね。
そうよ。
港でおろした瞬間から先の費用は、原則として課税価格に入れないの。
じゃあ、輸入者が自分の工場まで運ぶトラック代は、足さないんだね?
足さないわ。
それは到着後の国内費用だから。
ここは本当に狙われるところよ。
うぅ〜ん…でも保険料は、到着までの分だけを足すってことぉ?
そう。
到着までをカバーする保険料は加算、到着後の国内保険は入れないの。
境目は保険料でも同じよ。
補足すると、迷ったら『その費用は輸入港に着く前か、後か』と自問するのが確実ですね。
完璧な確認法よ。
前か後か、この一問で仕分けられる。
境目さえぶれなければ大丈夫なの。
確認クイズ
輸入貨物の課税価格に、原則として算入しない費用はどれか。
- 輸入港到着までの海上運賃
- 輸入港到着までの保険料
- 輸入港到着後の国内運送料
- 仕入書(インボイス)価格
こたえを見る
正解: 3. 輸入港到着後の国内運送料
正解は輸入港到着後の国内運送料です。課税価格は原則として輸入港到着までのCIFを基礎とし、到着までの運賃・保険料は算入しますが、到着後の国内運送料は算入しません。境目は『輸入港到着』と覚えます。