取引で値引きがあった場合、課税価格の基礎になるのは「実際に支払う価格」です。数量値引きなどで安くなった後の金額を使い、そこに運賃・保険料を足します。定価と値引き後、どちらを使うのかを会話で整理します。ここでの考え方の軸は『現実支払価格』、つまり買手が実際に財布から出す金額です。定価がいくらであっても、値引きを受けて実際に払うのが安くなった金額なら、その安くなった金額こそが課税価格の土台になります。たくさん買うと安くなる数量値引きや、現金で払うと安くなる現金値引きなど、通常の商慣行に基づく値引きはこの考え方で処理できます。手順としては、まず値引き後の支払価格を確定し、それから運賃・保険料を足すという流れ。商品の値段を先に決めて、輸送の費用をあとから乗せる、と分けて考えれば迷いません。ただし特殊な条件付きの値引きには注意が必要です。基本形を確実に押さえていきましょう。
せんせぇ、値引きしてもらったときは、課税価格はどっちを使うのぉ?
もとの定価?
それとも安くなったあと?
実際に払う金額のほう、つまり値引き後の金額を使うのよ、ねむちゃん。
課税価格の基礎は現実支払価格=買手が実際に支払う価格だから、値引きがあれば当然その後の金額が基礎になるの。
えっ、値引き後でいいの?
てっきり定価で計算するのかと思ってた。
じゃあ、安く買えた分だけ税も安くなるってこと?
そういうことね、アキちゃん。
実際に払った金額が課税の土台だから、安く買えればその分、税の土台も小さくなるの。
たとえば、たくさん買うと安くなる数量値引きは、値引き後の価格がそのまま現実支払価格になるわ。
自然な考え方でしょう。
つまり、まず値引き後の支払価格を確定して、それに運賃・保険料を足して課税価格を作る、という手順で合っていますか?
値引きの処理を先にやるのですね。
その手順で完璧よ、さやちゃん。
まず値引き後の価格を出し、それにCIFの加算——運賃と保険料を足す。
順番は今までと変わらないの。
商品の値段を確定してから、輸送の費用を乗せる、という流れね。
うぅ〜ん…先に値引いて、あとで運賃を足す…ってことぉ?
どっちを先にやるか、こんがらがりそうなのぉ…
落ち着いて考えれば大丈夫よ、ねむちゃん。
値引きは『商品そのものの値段』の話、運賃は『そのあとの上乗せ』の話。
別々のものだと分けて考えれば、順番も自然に見えてくるわ。
まず商品、それから輸送、ね。
なるほど、要は安くなった値段に運賃を足すだけか。
商品が先、運賃があと。
それならいける気がする!
補足すると、ここで対象になるのは、通常の商慣行に基づく値引きです。
特殊な条件が付いた値引きは扱いが異なる場合があるので、原則的な数量値引きで考えるのが基本ですね。
その通りよ、さやちゃん。
原則は現実支払価格、つまり通常の値引き後の金額。
例外的な値引きもあるけれど、まずは基本の数量値引きを確実にね。
では実際に、数量値引きのある例で課税価格を計算してみましょう。
えへへ、商品の値段を先に決めて、運賃はあと。
順番を覚えたのぉ。
値引きって、数量値引きのほかにもあるのぉ?
あるわ。
現金値引きや、季節の値下げなど、通常の商慣行に基づくものはいろいろあるの。
つまり、通常の取引で認められる値引きなら、値引き後の支払価格が基礎になる、ということですね。
そうよ。
買手が実際に支払う金額が課税価格の土台、という原則は変わらないの。
じゃあ、どんな値引きでも安くなった分が基準になるんだね。
原則はね。
ただし、特殊な条件が付いた値引きは、認められないことがあるの。
特殊な条件って、たとえばどんなのぉ?
たとえば別の取引と抱き合わせた特別な値引きなど。
通常の商慣行を超えるものは注意が要るわ。
補足すると、まずは通常の数量値引き・現金値引きを基本形として押さえるのがよさそうですね。
その通り。
基本は現実支払価格。
例外的な値引きは、あとから条文で確認していきましょうね。
確認クイズ
定価1,000,000円の貨物を、数量値引き10%で購入した。輸入港までの運賃50,000円、保険料10,000円がかかるとき、課税価格はいくらか。
- 900,000円
- 960,000円
- 1,000,000円
- 1,060,000円
こたえを見る
正解: 2. 960,000円
正解は960,000円です。まず値引き後の現実支払価格=1,000,000円×(1−0.1)=900,000円。これに運賃50,000円と保険料10,000円を足して、課税価格=900,000円+60,000円=960,000円となります。