一つのインボイスに複数の品目があり、運賃や保険料がまとめて記載されている場合、各品目へ「按分」します。原則はインボイス価格の比で分ける——この比例配分の計算は申告書問題で頻出です。仕組みと手順を練習しましょう。按分は、言葉だけ聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、やっていることは『割合で分ける』というシンプルな計算です。全体の中でその品目がどれだけの重みを占めるかを求め、その割合を共通費用に掛ける。ただそれだけです。この考え方は、後で学ぶアシスト費用の按分でもまったく同じように使えるので、ここでしっかり身につけておくと大きな武器になります。申告書問題では、複数品目の運賃・保険料を正しく振り分けられるかが得点を左右します。合計が元の金額に戻るかを確かめる検算のクセもつけながら、確実に解けるようにしていきましょう。
先生、運賃がまとめて1個の金額で書いてあると、品目ごとにどう分ければいいの?
品目ごとの運賃なんて書いてないよ?
そういうときに使うのが按分よ、アキちゃん。
共通でまとめてかかった運賃や保険料を、各品目の仕入書価格の比で割り振るの。
原則は価格の比で分ける、と覚えてね。
うぅ〜ん…比で分ける…って、具体的にはどう計算すればいいのぉ?
比っていう言葉だけで、もう難しく感じちゃうのぉ…
言葉ほど難しくないのよ、ねむちゃん。
落ち着いてね。
まず全部の品目の合計価格を出す。
次に、ある品目の価格が全体の何割を占めるかを、共通の運賃に掛ける。
たったこれだけよ。
つまり、その品目の運賃=共通運賃×(その品目の価格÷全品目の合計価格)、という式で合っていますか?
分数の部分がその品目の占める割合、ということですね。
完璧な式よ、さやちゃん。
この分数の部分がまさに『割合』なの。
全体の中でその品目がどれだけの重みを持つか、を表しているわ。
だから高い品目ほど運賃を多く負担する、という自然な結果になるのよ。
なるほど、要は高い荷物ほど運賃も多めに背負うってことか。
値段が高い荷物のほうが場所も価値も取るし、フェアな分け方だね。
えへへ、それなら意味が分かるのぉ。
値段が大きい子がたくさん持つ、みたいな感じぃ。
数字だけだと怖いけど、そう言われると納得ぅ。
その感覚でつかめれば十分よ、ねむちゃん。
理屈が分かると、式もただの手順に見えてくるでしょう。
合計を出して、割合を掛ける。
この二段階を体で覚えましょうね。
補足すると、保険料もまったく同じ考え方で按分します。
運賃と保険料をそれぞれ価格比で割り振れば、共通費用の配分は完成しますね。
その通りよ、さやちゃん。
運賃も保険料も、按分のやり方は共通。
一度覚えれば両方に使えるお得な技なの。
では実際に、二品目へ運賃を割り振ってみましょう。
まず合計、次に割合、の順でね。
よし、まず合計出して、割合かけて…電卓の出番だ!
二段階なら迷わずいけそう!
さっきA品の運賃が40,000円だったけど、B品はどうなるのぉ?
全体が60,000円だから、残りの20,000円がB品の運賃よ。
B品の割合は200,000÷600,000で3分の1ね。
つまり、60,000円×3分の1=20,000円で、A品とB品を足すと元の60,000円に戻る、ということですね。
そう。
合計が元に戻ることを確かめると、按分が正しくできた証拠になるの。
ちょっとした検算ね。
なるほど、足して元通りならOKってことか。
それなら自分で確かめられるね。
いい習慣よ。
保険料も同じで、価格比で割ってから合計が元に戻るか確認するの。
運賃と保険料は、別々に按分するのぉ?
一緒にしちゃダメぇ?
別々よ。
それぞれを価格比で割って、各品目に足すの。
混ぜないように気をつけてね。
補足すると、按分の基準は原則インボイス価格の比です。
重量比など別の基準が指定されることもありますね。
鋭いわね。
指定があればその基準に従う。
指定がなければ原則は価格比、と覚えておきましょう。
確認クイズ
共通の海上運賃60,000円を、A品(仕入書価格400,000円)とB品(仕入書価格200,000円)に価格比で按分する。A品が負担する運賃はいくらか。
- 20,000円
- 30,000円
- 40,000円
- 45,000円
こたえを見る
正解: 3. 40,000円
正解は40,000円です。合計価格=400,000円+200,000円=600,000円。A品の割合=400,000÷600,000=3分の2。A品の運賃=60,000円×3分の2=40,000円。残りの20,000円がB品の負担となります。