関税の税額は『誰が決めるのか』。自分で申告して確定する申告納税方式と、税関が決める賦課課税方式。この二つの区別は、次回学ぶ修正申告や更正の話にも直結する重要テーマです。原則と例外を取り違えないよう、丁寧にいきましょう。
関税の金額って、そもそも誰が計算するの?
ぜんぶ税関が決めて『はい○円ね』って言ってくるんじゃないの?
いい問いね、アキちゃん。
実は原則は逆なの。
関税は、納税義務者が自分で税額を計算して申告する申告納税方式が原則なのよ。
税関が最初から金額を突きつけるのではなく、まず輸入する人が自分で計算して申告するの。
つまり『自己申告によって税額が確定する』のが基本という理解で合っていますか?
税関が主導して金額を通知するわけではない、と。
その通り。
輸入する人が課税標準や税額を計算して申告し、その申告によって税額が確定するの。
これが大部分の輸入貨物に当てはまる、いわば土俵の中央よ。
所得税や法人税と同じ考え方だと思えば親しみやすいわね。
うぅ〜ん、じゃあ税関が金額を決める方式も、ちゃんとあるんですかぁ?
あるのよ、ねむちゃん。
税関長の処分によって税額が確定する賦課課税方式ね。
こちらは原則ではなく、限られた特定の場面だけで使われるの。
あくまで例外という位置づけよ。
どんな場面で使うの?
ぜんぶ自己申告じゃダメなわけ?
なんでわざわざ分けるのさ。
たとえば入国者が持ち込む携帯品や別送品、あるいは各種の加算税のように、性質上その都度きちんと自己申告してもらうのになじまないものが賦課課税方式ですね。
旅行帰りの人に毎回申告書を作らせるのは現実的ではありません。
さやちゃんの例が分かりやすいわね。
空港で旅行者が税金を課される場面を思い浮かべて。
あれは本人が申告書を作って確定というより、税関が金額を決めて課す形。
だから賦課課税方式なの。
少額で件数が多いものや、加算税のようなペナルティ的なものが典型よ。
なるほどぉ。
ふつうの輸入は自己申告、特別な場面は税関が決める、っていう住み分けなんですねぇ。
すっきりしましたぁ。
きれいにまとまったわね。
原則が申告納税方式、例外的な特定の場合が賦課課税方式。
この主従関係を絶対に逆に覚えないこと。
試験ではわざと逆にした選択肢を並べてくるから、ここは真剣に、絶対に落とせないわ。
補足すると、どちらの方式かによって、後で税額を直すときの手続も変わってきますよね。
申告納税方式だからこそ生きてくる仕組みがある、と。
鋭い先読みね、さやちゃん。
申告納税方式で自分が申告するからこそ、次回学ぶ修正申告や更正の請求という直し方が意味を持つの。
ここは伏線と思っておいてね。
方式の理解が、次の論点の土台になるわ。
せんせぇ、賦課課税方式の郵便物や携帯品って、金額を税関が決めるんですよねぇ。
もし高すぎると思ったら、文句は言えないんですかぁ?
泣き寝入りではないのよ、ねむちゃん。
税関長の処分に納得できなければ、後で不服を申し立てる道が用意されているの。
方式が違っても、納税者を守る仕組みはきちんとあるわ。
詳しくは別の分野で扱うけれど、安心してね。
つまり、確定のさせ方は違っても、最終的に争える点は共通している、という理解でよいですか?
申告納税でも賦課課税でも、誤りを正す手立てはある、と。
そういうことよ、さやちゃん。
申告納税方式なら修正申告や更正の請求、賦課課税方式なら不服申立て。
入り口は違っても、正しい税額に近づける出口はどちらにもあるの。
決め方は違っても、間違いを直せる道は両方にある、と。
なんか安心したよ。
ちゃんとフォローがあるんだね。
焦らなくていいわ、アキちゃん。
原則の申告納税方式をまず体に入れて、賦課課税方式は例外の引き出しに分けてしまうの。
この整理さえできていれば、わざと主従を逆にしたひっかけの選択肢にも動じないわ。
原則は自己申告、例外は税関!
主従を逆にしない!
よし、ここは気合いで間違えないっ。
確認クイズ
関税の確定方式に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 関税は原則として賦課課税方式により、税関長の処分で税額が確定する
- 関税は原則として申告納税方式により、納税義務者の申告で税額が確定する
- すべての関税は例外なく申告納税方式で確定する
- 申告納税方式と賦課課税方式は、納税者が自由に選択できる
こたえを見る
正解: 2. 関税は原則として申告納税方式により、納税義務者の申告で税額が確定する
正解は選択肢2。関税は原則として申告納税方式で、納税義務者の申告により税額が確定します。賦課課税方式は入国者の携帯品など特定の場合に限られ(選択肢1・3は誤り)、方式を納税者が任意に選べるわけではありません(選択肢4は誤り)。