『貨物は早く引き取りたい、でも納税はまとめて後で済ませたい』。この願いを叶えるのが特例申告制度です。引取りの申告と納税の申告を切り離せるのがミソ。特例輸入者・特例委託輸入者・特例申告貨物という登場人物と、納税期限を整理しましょう。
ふつうは、申告して、納税して、許可、っていう流れだったよね。
でもこれって、まとめて後で払えたら事務がすごく楽じゃない?
毎回納税するの大変そう。
アキちゃん、その発想がまさに特例申告制度なの。
引取りのための申告と、税金を納めるための申告を、別々に分けられる仕組みよ。
あなたが今思いついたことが、そのまま制度になっているというわけ。
つまり、まず引取りのための輸入申告をして貨物を先に受け取り、納税はそれとは別に後からまとめて行う、という二段構えの理解で合っていますか?
完璧よ、さやちゃん。
先に引取り申告で貨物を引き取り、税金の計算と納付は後回しにできる。
だから資金繰りに余裕が生まれるし、物流のスピードでも有利になるの。
何度も輸入する会社にとっては、事務負担もぐっと軽くなるわ。
でも、そんな便利な制度、誰でも使えるわけじゃ、ないですよねぇ?
なんとなく特別な人向けな気がしますぅ。
鋭い勘ね、ねむちゃん。
使えるのは、あらかじめ税関長の承認を受けた特例輸入者や、認定通関業者に通関手続を委託する特例委託輸入者に限られるの。
信頼できる者だけに認められる、いわば優遇なの。
その人たちが輸入する貨物のことを『特例申告貨物』って呼ぶわけね?
そうです。特例申告貨物ですね。
ところで、肝心の納税は、いつまでに行わなければならないのですか?
後回しにできるといっても、際限なくは待ってもらえないはずです。
とても大事な期限よ、さやちゃん。
納税の申告、つまり特例申告書の提出は、輸入の許可の日の属する月の翌月末日までなの。
ここは数字そのものが問われるから、正確に覚えてね。
ぼんやりでは失点するわ。
許可の日の…属する月の…翌月末日ですかぁ。
うぅ〜ん、言葉が長くて、間違えそうですぅ。
焦らなくていいわ、ねむちゃん。
『許可の月の、翌月末日まで』とリズムで唱えてみて。
たとえば5月に輸入の許可を受けたら、翌月の6月末日まで。
3月なら4月末まで。
具体例で一度考えれば、もう忘れないわ。
まとめると、引取りは先に済ませ、納税は輸入許可の翌月末までにまとめて行う。
物流のスピードと事務の効率を両立させる制度、という理解でよいですね。
その通りよ、さやちゃん。
信頼された事業者が、引取りと納税を分けて機動的に輸入できる。
それが特例申告制度の狙いなの。
次回のAEO制度とも深くつながる話だから、しっかり押さえておいてね。
せんせぇ、特例申告だと納税が後回しになりますけど、その間、関税を払わないまま貨物を使えちゃうんですよねぇ?
国は不安じゃないんですかぁ?
だからこそ、使えるのが信頼された者に限られるのよ、ねむちゃん。
特例輸入者は税関長の承認を受けた者、特例委託輸入者は認定通関業者に委託する者。
きちんと納税してくれる見込みがあるからこそ、後払いを認めているの。
つまり、便利さと引き換えに、日ごろの法令遵守という信頼が前提になっている、という理解でよいですね。
誰にでも開かれた制度ではない、と。
その通りよ、さやちゃん。
信頼を土台に手続を軽くする。
この発想は、次回学ぶAEO制度とまったく同じなの。
特例申告は、その考え方の代表例のひとつと言えるわ。
後払いを許すかわりに、信頼できる人だけ!
AEOと同じ考え方なんだね。
つながってきたよ。
つながりが見えたら大したものよ、アキちゃん。
制度はバラバラではなく、同じ思想で結ばれているの。
だから一つ分かると、次がぐっと楽になるわ。
ふふっ、頼もしいわねアキちゃん。
引取りを先に済ませ、納税は許可の翌月末までにまとめて行う。
この二段構えが特例申告のすべてよ。
誰が使えるかと、提出期限だけは、必ず正確に押さえておいてね。
引取りは先、納税は許可の翌月末!
5月許可なら6月末!
よっしゃ、具体例つきで覚えたっ。
確認クイズ
特例申告に係る特例申告書の提出期限として、最も適切なものはどれか。
- 輸入申告の日
- 輸入の許可の日
- 輸入の許可の日の属する月の翌月末日
- 輸入の許可の日から6か月後の日
こたえを見る
正解: 3. 輸入の許可の日の属する月の翌月末日
正解は選択肢3。特例申告書の提出(納税申告)は、輸入の許可の日の属する月の翌月末日までに行います。引取りの申告と納税の申告を分離できるのが特例申告制度の特徴で、たとえば5月に許可を受けたら6月末が期限です。