『いつ』『どこの税関に』『どうやって』申告するのか。申告の時期・申告先の税関官署・電子申告NACCSは、地味に見えて頻出のテーマです。ここを詰めておくと、通関手続の全体像がぐっと立体的になります。三つの問いに順番に答えていきましょう。
申告って、どこの税関に出してもいいんじゃないの?
会社から近いところとか、空いてるところとかさ。
それが、決まりがあるのよアキちゃん。
原則として、申告先の税関官署は、その貨物が置かれている保税地域等の所在地を管轄する税関長なの。
好きな税関を選べるわけではないの。
つまり『貨物のある場所の税関へ出す』が原則という理解で合っていますか?
申告者の都合ではなく、貨物の所在地で決まる、と。
そう、原則はその通り。
貨物の所在地基準ね。
なぜだと思う?
税関が必要なときにその貨物をすぐ検査できるようにするためよ。
物のある場所の税関が扱うのが、いちばん理にかなっているの。
輸入も輸出も、この考え方が土台になるわ。
次は『いつ』ですねぇ。
申告する時期って、決まっているんですかぁ?
好きなタイミングじゃダメなのぉ?
ええ、決まりがあるの。
輸入申告は、原則として貨物を保税地域等に入れた後に行うのよ。
だから搬入が先、申告が後、という順番。
前回の輸入の流れで学んだとおりね。
まず物を決められた場所に納めてから、書類を出す、という段取りなの。
じゃあ貨物が着く前には、何もできないの?
ただ黙って待ってるだけ?
それだと時間もったいなくない?
そこで便利なのが電子化です。
今はNACCSという国のシステムで申告するのが原則で、貨物の到着前にあらかじめ内容を入力しておく予備的な申告もできますね。
待っている間に段取りを進められます。
さやちゃん、よく知っているわね。
NACCSはナックスと読むわ。
輸出入や港湾の手続を結ぶ大きな情報システムで、通関手続の大部分がこれを通じて電子的に処理されているの。
もう紙の書類を窓口に持ち込むだけの時代ではないのよ。
えへへ、パソコンで申告なんですねぇ。
窓口に並ばなくていいなら、すごく速そうですぅ。
速さと正確さが利点ね。
人の手で書き写す手間が減るぶん、ミスも減るの。
ただし電子になっても『貨物の所在地の税関へ』『搬入後に』という原則は変わらないわ。
仕組みが電子になっただけで、ルールの骨格はそのまま。
ここを混同しないでね。
例外として、特定輸出者や特例輸入者には、申告の場所や時期について特例がありますよね。
信頼された事業者は、原則から外れた扱いを認められる、と。
その通りよ。
原則を先に固めて、特例は後の回で重ねる。
まずは『所在地の税関へ・搬入後に・NACCSで』の三点セットをしっかり覚えましょうね。
この三つが、申告という論点の背骨だから。
せんせぇ、NACCSって、税関の人だけが使うシステムなんですかぁ?
それとも会社の人も使うんですかぁ?
いい質問ね、ねむちゃん。
NACCSは税関だけのものではなくて、通関業者や輸出入者、倉庫や船会社まで、貿易に関わる多くの当事者がつながって使う共同のシステムなの。
だから手続が一つの流れとして電子的に回るのよ。
つまり、申告する側も審査する側も同じ土台の上でやり取りする、という理解でよいですか?
紙の書類を郵送し合うより、はるかに速く正確になりますね。
その通りよ、さやちゃん。
関係者が一つのシステムでつながるから、入力した情報がそのまま次の手続へ流れる。
転記のミスも減るし、時間も大幅に短くなるの。
今の通関はNACCSなしには語れないわ。
みんなで同じシステムを使うから速いのか。
なるほど、便利さの理由まで分かるとスッキリするね。
ふふっ、その調子よアキちゃん。
場所は貨物のある税関、時期は搬入後、やり方はNACCS。
三つを結び付けて覚えれば、申告という論点はもう手のうちよ。
細かい特例が出てきても、この三本柱がぶれなければ迷わないわ。
所在地・搬入後・NACCS。
よし、三点セットで暗記っ!
場所と時期とやり方、って整理すれば迷わないね。
確認クイズ
輸出入の申告先の税関官署に関する原則として、最も適切なものはどれか。
- 申告者が任意に選んだ、最も近い税関
- 貨物が置かれている保税地域等の所在地を管轄する税関長
- 申告者の会社の本店所在地を管轄する税関長
- 財務大臣がその都度個別に指定する税関
こたえを見る
正解: 2. 貨物が置かれている保税地域等の所在地を管轄する税関長
正解は選択肢2。申告は原則として貨物の蔵置場所(保税地域等の所在地)を管轄する税関長に対して行います。近さや会社の所在地、個別指定で決まるものではありません。物のある場所の税関が扱う、という所在地基準を押さえましょう。