関税法の罰則① ─ 関税ほ脱罪と無許可輸出入罪

税を免れる関税ほ脱罪、許可を受けない無許可輸出入罪、麻薬等の輸入してはならない貨物の罪。関税法の主要な刑事罰を行為類型ごとに整理します。

編集・検証: 通関士スタディ編集部 公式情報: 税関 (財務省) 通関士試験のご案内 制作・検証方針

関税法には、税を免れる行為や、許可を受けない輸出入に対する重い罰則があります。まずは代表的な関税ほ脱罪と、無許可輸出入罪・輸入してはならない貨物の罪を確認します。

関税法は、単に税を計算し徴収するためだけの法律ではありません。国の収入を守り、危険な物や社会に害を及ぼす物が国内へ入るのを防ぐという、大切な役割も担っています。その実効性を支えているのが罰則です。加算税のような行政上の制裁とは別に、悪質な行為に対しては刑事罰まで用意されているのです。この記事ではまず、偽りその他不正の行為で関税を免れる関税ほ脱罪、許可を受けずに輸出入する無許可輸出入罪、そして麻薬やけん銃のように輸入してはならない貨物にかかわる罪を取り上げます。具体的な罰金額などは改正され得るため、行為の類型と重さの序列で押さえていきましょう。

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

先生、もし関税をごまかしちゃったら、どうなっちゃうの?
あとから足りない分の税金を払えば、それで許してもらえるの?

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

それだけでは済まないわ、アキちゃん。
加算税のような行政上の処分とは、まったく別に、刑事罰まであるのよ。
ここは絶対に軽く見てはいけないところ。
関税法は、悪質な脱税にはとても厳しいの。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

偽りその他不正の行為によって関税を免れる、あるいは免れようとすると、関税ほ脱罪になるの。
これは関税法の中でも、とりわけ重い罪よ。
国の収入を不正にかすめ取る行為だからね。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

つまり、実際に関税を免れることができた場合だけでなく、免れようとしたけれど失敗した、という段階の行為も、処罰の対象になる、という理解で合っていますか?

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

合っているわ。
実際に免れられなくても、免れようとした段階で処罰され得るの。
それだけ、この行為が悪質だと評価されているのね。
未遂だから許される、とはならないのよ。

薔薇崎 ねむ(普段) 薔薇崎 ねむ

うぅ〜ん…じゃあ、そもそも許可をもらわないで、こっそり輸出したり輸入したりしたら、それも罪になっちゃうのぉ?

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

なるのよ。
許可を受けないで貨物を輸出入する、無許可輸出入罪があるの。
通関の許可という、輸出入のいちばん基本になる制度を破る行為だから、当然、罰せられるのね。

紺野 アキ(びっくり) 紺野 アキ

麻薬とか、そもそも日本に入れちゃダメなやつを持ち込もうとしたら、それはもっと重いの?
ニュースでもよく見るやつだけど。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

それは輸入してはならない貨物よ。
麻薬やけん銃、児童ポルノ、それに知的財産を侵害する物品などがそれで、輸入しようとすると特に重く罰せられるの。
社会そのものに害を及ぼす貨物だから、水際で厳しく止めるのよ。

薔薇崎 ねむ(普段) 薔薇崎 ねむ

知的財産を侵害する物品…って、たとえば、ニセモノのブランド品みたいなもの、なのぉ?

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

そうよ、ねむちゃん。
偽ブランド品や海賊版のコピー商品などがそれね。
正規の権利者を害するし、社会に悪い影響を及ぼすから、税関がしっかり水際で止めて、重く処罰するの。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

補足すると、関税ほ脱罪は、拘禁刑と罰金の両方があり得ますよね。
具体的な金額の上限などは、改正され得るものだと思いますが。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

その通り、さやちゃん。
ほ脱罪は拘禁刑もしくは罰金、またはその併科があり得るの。
具体的な上限額は改正され得るから、細かい数字より、原則としての重さで押さえておきましょう。

薔薇崎 ねむ(普段) 薔薇崎 ねむ

それって…税をごまかす罪、許可を破る罪、そして入れちゃいけない物の罪…って、いくつかの段階に分かれているってことなのぉ?

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

ふふっ、よく整理できたわね。
代表的な三つを、それぞれ行為の種類でしっかり言えるようにしておきましょう。
まず全体像を、行為の類型でつかむことが大事よ。

確認クイズ

関税法の罰則(ほ脱罪・無許可輸出入罪等)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 関税を免れようとしたが免れられなかった場合は、およそ処罰の対象とならない
  2. 偽りその他不正の行為により関税を免れる行為は、関税ほ脱罪として処罰され得る
  3. 許可を受けないで貨物を輸出入しても、関税法上の罪には問われない
  4. 麻薬やけん銃の輸入は、関税法上は特段重く扱われない
こたえを見る

正解: 2. 偽りその他不正の行為により関税を免れる行為は、関税ほ脱罪として処罰され得る

偽りその他不正の行為で関税を免れる行為は関税ほ脱罪として処罰され得ます。よって選択肢2が正しいです。免れようとした行為も対象となり得(選択肢1は誤り)、無許可の輸出入は罪となり(選択肢3は誤り)、輸入してはならない貨物の輸入は特に重く処罰されます(選択肢4は誤り)。

🔖 この記事の関連書籍

Amazonアソシエイトリンクを含みます。他分野は おすすめ書籍ページ へ。