税関長の処分に納得できないとき、納税者はどのように争えばよいのでしょうか。再調査の請求と審査請求、関税等不服審査会への諮問、そして最後の行政訴訟までの流れを押さえましょう。
税関長が行う更正や決定、徴収といった処分は、納税者の権利や財産に大きく影響します。だからこそ、その処分に納得できないときに、きちんと争える道が用意されていなければなりません。それが不服申立ての制度です。関税の分野では、処分をした税関長に見直しを求める再調査の請求と、財務大臣に判断を求める審査請求があり、これらは自由に選ぶことができます。さらに、審査請求では第三者機関である関税等不服審査会への諮問が行われ、公正さが担保されています。それでも解決しなければ、最後は裁判所での行政訴訟です。この記事では、これらの手続を、相手方と期間、そして順序に注意しながら整理していきましょう。
先生、たとえば更正みたいな処分を受けて、『いや、それはおかしいよ!』って言いたいときは、どうすればいいの?
泣き寝入りするしかないの?
泣き寝入りなんて、しなくていいのよ。
ちゃんと落ち着いて争う道が用意されているの。
税関長の処分に不服があるときは、再調査の請求か審査請求をすることができるわ。
この二つは、どちらか一方を選んで行うのですか?
それとも、まず再調査の請求をしてから審査請求へ、という順番が決まっているのでしょうか。
自由に選べるのよ、さやちゃん。
処分をした税関長に対して再調査の請求をしてもいいし、それを飛ばして、いきなり財務大臣へ審査請求をしてもいいの。
順番に縛られない、自由選択という建前なのね。
へぇ、いきなり大臣に直接言ってもいいんだ。
てっきり、まず税関に文句を言ってから、じゃないとダメなのかと思ってた。
そこが特徴なのよ。
再調査の請求を経なくても、審査請求ができるの。
だから『再調査の請求が必ず前置される』と書いてあったら、それは誤り。
自由選択、としっかり覚えておいてね。
うぅ〜ん…でも、いつまでに申し立てないと、いけないのぉ?
のんびりしていると、争えなくなっちゃう、とか…?
あるのよ、期限が。
処分があったことを知った日の翌日から、原則として3か月以内なの。
この期間を過ぎてしまうと、もう争えなくなってしまうから、ここはとても重要な数字よ。
しっかり覚えておいてね。
審査請求を受けた財務大臣は、自分だけで判断するのではなく、何かに諮問するのでしたよね。
第三者のチェックが入る仕組みがあった記憶があります。
よく覚えていたわね。
財務大臣は、原則として関税等不服審査会に諮問して、その意見を踏まえたうえで裁決をするの。
処分をした側の身内だけで決めるのではなく、第三者の目を入れる仕組みなのよ。
それでも、やっぱりダメだったら、最後の最後は、いよいよ裁判ってこと?
ええ。
その裁決を経たうえで、処分の取消しを求めて行政訴訟を起こすことができるの。
ただし、原則として審査請求の裁決を経てからでないと訴えられない、審査請求前置という仕組みになっているのよ。
それって…まずは税関や大臣に申し立てて、それでもどうしても納得できないときに、ようやく裁判所へ行く…っていう順番なのぉ?
ふふっ、その順序でばっちりよ。
再調査の請求・審査請求・行政訴訟、この三段構えを、それぞれの相手方と、3か月という期間とセットで押さえておきましょうね。
確認クイズ
関税に関する不服申立てについて、正しいものはどれか。
- 税関長の処分には、再調査の請求を経なければ審査請求をすることができない
- 審査請求は、処分をした税関長に対して行う
- 税関長の処分に不服があるときは、再調査の請求か審査請求を選んで行うことができる
- 審査請求の裁決を経ずに、直ちに処分の取消訴訟を提起するのが原則である
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正解: 3. 税関長の処分に不服があるときは、再調査の請求か審査請求を選んで行うことができる
税関長の処分に不服があるときは、再調査の請求と審査請求を自由に選べます。よって選択肢3が正しいです。再調査の請求は前置ではなく(選択肢1は誤り)、審査請求は財務大臣に対して行い(選択肢2は誤り)、行政訴訟は原則として審査請求の裁決を経てから提起します(選択肢4は誤り)。