申告が過少だったり、そもそも申告がなかったり、事実を仮装・隠蔽したり。こうした申告の不備には、行政上の制裁として加算税が課されます。三つの種類を、悪質さの序列で区別しましょう。
申告納税方式は、納税者が自ら正しく申告してくれることを前提に成り立っています。だからこそ、その前提を崩す不適正な申告に対しては、本来の税金とは別に、ペナルティを課して適正な申告を促す必要があります。それが加算税です。加算税は、申告が足りなかった場合の過少申告加算税、そもそも申告しなかった場合の無申告加算税、そして事実を偽って隠した場合の重加算税に分かれ、悪質さが増すほど重くなるように設計されています。割合を示す数字は改正されることがあるため、細かい暗記に頼るよりも、三つの序列と、それぞれがどんな場面で課されるのかを理解しておくことが大切です。この記事で、その全体像をつかんでいきましょう。
先生、もし申告をまちがえちゃったら、足りなかった分の税金を後から払えば、それで終わりなの?
ミスなんだから、それくらいで許してほしいけど。
それだけでは済まないことがあるのよ。
申告に不備があると、本来の税金とは別に、加算税という行政上のペナルティが上乗せされることがあるの。
正しい申告を促すための、いわばペナルティね。
つまり、本税とは別に課される制裁ということですね。
その加算税には、どのような種類があるのでしょうか。
いくつかに分かれているのですか?
大きく三つに分かれるわ。過少申告加算税、無申告加算税、そして重加算税。
それぞれ、不備の性質と悪質さに応じて使い分けられるの。
うぅ〜ん…過少申告と無申告って、名前は似てるけど、いったいどう違うのぉ?
どっちも、なんだか良くない感じはするけど…
過少申告は『期限内にちゃんと申告はしたけれど、税額が足りなかった』場合。
無申告は『そもそも期限内に申告そのものをしなかった』場合よ。
出発点が『申告したか、しなかったか』で違うの。
割合はね、過少申告加算税が原則10%、無申告加算税が原則15%。
無申告のほうが重く設定されているの。
そして、一定の金額基準を超える部分については、さらに割合が上乗せされる仕組みになっているわ。
なんで、無申告のほうが重いの?
どっちも間違いなのに、差があるのはちょっと不思議。
いい疑問ね。
そもそも申告すらしていないほうが、制度への協力度が低いと評価されるからよ。
きちんと申告したうえでの計算間違いよりも、悪質だとみなされるの。
だから重いのね。
じゃあ、最後の重加算税っていうのは?
名前からして、いちばんヤバいやつっぽいけど。
ええ、一番重いわ。
事実を仮装・隠蔽したとき、つまり意図的にごまかしたときに、過少申告加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%が課されるの。
うっかりではなく、故意の悪質な行為への制裁だからね。
補足すると、これらの割合は法改正で変わり得るので、細かい数字よりも、原則の水準と序列で押さえておくのが安全ですね。
その通りよ、さやちゃん。
細かい数字を丸暗記するより、『無申告は過少申告より重い、仮装隠蔽があれば重加算税』という序列を確実にしておくほうが、改正にも強いわ。
それって…うっかりのミスより、黙っているほうが重くて、ウソをついてごまかすのは、もっと重い…ってことなのぉ?
ふふっ、まさにそう。
悪質さが増すほど、ペナルティも重くなっていく、と理解しておけば十分よ。
その序列さえ体にしみこませておけば、細かい数字が変わっても対応できるわ。
確認クイズ
加算税に関する記述として、正しいものはどれか。
- 重加算税は、単なる計算ミスによる過少申告に対して課される
- 無申告加算税は、過少申告加算税よりも軽い割合とされている
- 重加算税は、事実の仮装・隠蔽があった場合に課される最も重い加算税である
- 加算税は本税に含まれ、本税を納めれば別途課されることはない
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正解: 3. 重加算税は、事実の仮装・隠蔽があった場合に課される最も重い加算税である
重加算税は事実の仮装・隠蔽があった場合に課される最も重い加算税です。よって選択肢3が正しいです。単なる計算ミスでは重加算税は課されず(選択肢1は誤り)、無申告加算税は過少申告加算税より重く(選択肢2は誤り)、加算税は本税とは別に課される制裁です(選択肢4は誤り)。