加算要素④:特許権等の使用の対価(ロイヤリティ)・売手帰属収益

権利使用料と売手に渡る利益。加算する条件と例外を整理します。

編集・検証: 通関士スタディ編集部 公式情報: 税関 (財務省) 通関士試験のご案内 制作・検証方針

加算要素の最後は、ロイヤリティと売手に帰属する収益です。目に見えない権利のお金をどう扱うか。加算する条件と、加算しない例外を、はっきり区別して押さえましょう。ここまでで加算要素が一通りそろいます。

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

先生、ロイヤリティって…王様のロイヤル?
なんかカッコいい響き!

お城で払うお金みたいなイメージがしちゃいます。
全然違いますよね?
気になっちゃって。

銀城 ナディア 先生(笑い) 銀城 ナディア 先生

ふふっ、由来は近いわね、アキちゃん。
ここでのロイヤリティは、特許権や商標権、意匠権、著作権などを使う対価のことなの。

ブランド名やデザイン、技術を使わせてもらう代わりに払うお金、と考えるといいわ。
ライセンス料とも呼ばれるものね。
身近な言葉に置き換えてみて。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

それが加算されるのは、どのような条件のときでしょうか。

支払っていれば何でも加算、というわけではなさそうです。
条件がありそうですね。
そこを詳しく知りたいです。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

いい着眼ね、さやちゃん。
ふたつの条件があるのよ。
ひとつは、その対価が輸入貨物に係るものであること。

もうひとつは、その支払いが輸入取引の条件となっていること。
この両方を満たしてはじめて加算するの。
片方だけでは足りないのよ。

薔薇崎 ねむ(普段) 薔薇崎 ねむ

うぅ〜ん…払わないと買えない、みたいなお金なら足すってことなのぉ?

払わなくても買えるお金なら、足さないのぉ?
ねむ、そんなふうに考えてみたのぉ。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

ねむちゃん、うまい言い換えね。
まさにそう。
取引の条件になっている、つまり払わなければ買えないロイヤリティは加算するの。

逆に、取引とは切り離せる任意の支払いなら、加算しないこともあるのよ。
『取引の条件かどうか』が、大きなカギになるわね。

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

じゃあ足さないロイヤリティもあるんですか?

どんなときに足さないのか、はっきり知っておきたいです!
間違えたくないので。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

あるわ、アキちゃん。本邦で複製する権利の対価は加算しないの。
日本国内で複製するための権利料は除く、と覚えておいてね。

ここは例外として、問題でもよく狙われるポイントなの。
『複製する権利は加算しない』と、しっかり刻んでおきましょうね。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

補足すると、買手が転売や処分をして得た収益のうち、売手に帰属するものも加算されると理解しています。

売った後に生まれる利益まで見る、ということですね。
少し意外に感じました。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

その通りよ、さやちゃん。売手帰属収益ね。
売った後の利益が売手に渡る取り決めがあれば、その分も課税価格に足すの。

貨物の対価は、支払いの時点だけでなく、後から売手に還元される分まで含めて考えるのよ。
これで加算要素は一通りそろったわね。

薔薇崎 ねむ(笑顔) 薔薇崎 ねむ

えへへ、条件を満たすロイヤリティと、売手に渡る利益を足すのねぇ。
すっきりしたのぉ。

運賃、手数料、アシスト、ロイヤリティ。
加算要素、ぜんぶ出そろったのぉ。
がんばったのぉ。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

よくがんばったわね、ねむちゃん。
加算要素を全部見終えたのは、大きな一歩なの。

あとは、これらと反対に『足さない・引ける費用』を押さえれば、課税価格の骨組みが完成するわ。
次もこの調子でいきましょうね。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

ロイヤリティは、輸入貨物に係ることと、支払いが輸入取引の条件になっていること、この二つがそろって初めて加算するんですね。
あたし、本邦で複製する権利の対価は足さない、っていう例外も一緒に、セットで押さえておきます。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

補足すると、売手に帰属する再販売収益まで加算対象になるのが、見落としやすい点ですね。
私は、権利の対価が出てきたら、まず取引の条件かどうかを確かめ、次に複製権の例外に当たらないかを確認する、という順番で整理しています。

薔薇崎 ねむ(笑顔) 薔薇崎 ねむ

えへへ、ねむは加算要素を全部ならべてみたのぉ。
運賃と保険料、手数料、アシスト、ロイヤリティ。
ぜんぶ集めると、課税価格がどう組み立てられるのか見えてきたのぉ。
加算する条件と足さない例外を、対にして覚えておくのぉ。

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

先生、ロイヤリティで見落としやすい点はどこですか?
あたし、条件が二つあるって聞いて、片方だけで判断しちゃいそうです。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

いいところに気づいたわね、アキちゃん。
落とし穴は、輸入貨物に係るだけ、あるいは取引の条件になっているだけ、と片方で判断する誤り。
両方そろって初めて加算よ。
本邦で複製する権利の対価は足さない、も忘れやすい点なの。

薔薇崎 ねむ(笑顔) 薔薇崎 ねむ

えへへ、ねむは『輸入貨物に係る、かつ、取引の条件』って、二つがそろうか毎回チェックするのぉ。
複製する権利の対価は足さない、っていう例外と、売手に戻る収益は足す、っていうのも、セットで覚えておくのぉ。

確認クイズ

ロイヤリティ等に関する記述として正しいものはどれか。

  1. すべてのロイヤリティは無条件に加算する
  2. 本邦で複製する権利の対価は加算する
  3. 輸入取引の条件となっている輸入貨物に係るロイヤリティは加算する
  4. 売手に帰属する再販売収益は加算しない
こたえを見る

正解: 3. 輸入取引の条件となっている輸入貨物に係るロイヤリティは加算する

選択肢3が正解です。輸入貨物に係り、かつ輸入取引の条件となっているロイヤリティは加算します。選択肢1は誤りで条件を満たすもののみです。選択肢2は誤りで、本邦で複製する権利の対価は加算しません。選択肢4は誤りで、売手帰属の再販売収益は加算します。

🔖 この記事の関連書籍

Amazonアソシエイトリンクを含みます。他分野は おすすめ書籍ページ へ。