関税定率法の概要と税率の種類(基本・協定・暫定・特恵)

関税率表に並ぶ4種類の税率を、まず全体像から整理します。

編集・検証: 通関士スタディ編集部 公式情報: 税関 (財務省) 通関士試験のご案内 制作・検証方針

関税率表を開くと、同じ品物にいくつも税率が並んでいて驚きます。まずは税率の種類とその全体像を、先生と3人でつかんでいきましょう。ここがあいまいだと、後の適用順位や税額の計算がぐらついてしまう、最初の土台になる論点です。腰を据えて取り組みましょう。

紺野 アキ(びっくり) 紺野 アキ

先生!
関税率表を見てたら、同じ品物に税率がいくつも書いてあってパニックです。
えーっ!
なんで一つじゃないの?

バドのラケットひとつに値札が4枚ぶら下がってる感じで、どれで払えばいいのか全然わかんないよぉ。
頭がぐるぐるしてます。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

落ち着いて大丈夫よ、アキちゃん。
税率にはね、大きく分けて4つの種類があるの。
順番に見ていけば、ちゃんと整理できるから焦らないでね。

まずは基本税率。
これは関税定率法の別表、つまり関税率表そのものに定められた、いちばん基礎になる税率なのよ。
国内の産業事情などをふまえて、長い目で決められているの。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

つまり、国内法によって長期的な基準として定められた税率、という理解で合っていますか?

経済情勢がすぐ変わっても、簡単には動かさない、いわば土台の税率という位置づけですね。
私はそう捉えました。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

ええ、その通り。
よく整理できているわ、さやちゃん。
次に暫定税率。
これは関税暫定措置法という別の法律で、一定の期間に限って基本税率に代えて適用される税率なの。

経済や政策の事情で、期間を区切って基本税率を修正したいときに使うのよ。
だから『暫定』という名前が付いているの。
永久ではなく、あくまで一時的なものね。

薔薇崎 ねむ(普段) 薔薇崎 ねむ

うぅ〜ん…暫定って『とりあえず今だけ』みたいな意味なのぉ?

ねむ、なんとなく分かってきた気がするのぉ。
期間限定のセール価格みたいな感じなのぉ?
そういうイメージで合ってるのぉ?

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

ねむちゃん、いい感覚ね。
まさに期間限定の税率よ。
その言い換え、とても分かりやすいわ。
感心しちゃう。

三つ目が協定税率。
これは条約に基づく税率で、WTO協定税率やEPA、つまり経済連携協定の税率がこれにあたるの。
国どうしの約束から生まれる税率ね。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

補足すると、WTO協定税率は最恵国待遇として、原則すべての加盟国からの輸入に及ぶものですね。

特定の相手国だけを優遇するのではなく、加盟国全体に等しく約束した上限の税率、という理解でよいでしょうか。
念のため確認させてください。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

さすがさやちゃん、正確ね。
条約で約束した上限だから、国内の基本税率や暫定税率より低ければ、そちらが使われることになるのよ。

そして四つ目が特恵税率。
開発途上国からの輸入を後押しするために、税を軽くしたり無税にしたりする、特別に低い税率なの。
支援のための税率、と覚えるといいわ。

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

えーっ、途上国だけ特別に安くしてあげるんだ。
なんだかやさしい制度だなぁ。
ちょっと感動しちゃった。

でも、それってどの国でも使えるんですか?
誰でもってわけじゃなさそう…条件がありそうな気がします。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

いい着眼ね、アキちゃん。
特恵は政令で指定された国が対象で、原産地の証明なども必要なの。
詳しくは後の記事でじっくりやりましょうね。

まずは基本・暫定・協定・特恵の4つを主役として押さえれば十分よ。
便益関税など他の税率もあるけれど、あくまで例外的な位置づけと考えてね。

薔薇崎 ねむ(普段) 薔薇崎 ねむ

えへへ、4つの名前、なんとか覚えられそうなのぉ。
呪文みたいに唱えてみるのぉ。

でも先生、この4つって、それぞれ根拠になる法律が違うのぉ?
ちょっと気になったのぉ。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

よく気づいたわね、ねむちゃん。
そこがとても大事なの。
基本税率は関税定率法、暫定税率と特恵税率は関税暫定措置法、協定税率は条約が根拠よ。

税率と法律をセットで覚えておくと、後の学習がぐっと楽になるわ。
ここまでで、税率の地図が一枚できあがったわね。
よくがんばりました。

紺野 アキ(笑い) 紺野 アキ

よっしゃ、基本・暫定・協定・特恵の4つ!
バド部のポジション4つみたいに、体で覚えるぞ!
根拠の法律もセットで頭に入れます!

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

あたし、今日ので税率の全体像がつかめました。
基本税率は関税定率法の別表に定めた長期の基準、暫定税率は関税暫定措置法で期間限定、協定税率は条約、特恵税率は途上国支援のための低い税率。
この四本柱を、根拠になる法律とセットで頭に入れておきます。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

つまり、名前だけを丸暗記するのではなく、それぞれが『どんな目的で、どの法律から生まれたか』まで押さえるのが近道、ということですね。
私も、四種類の税率を一枚の表に整理して、目的と根拠法を横に並べて覚えるようにします。

薔薇崎 ねむ(笑顔) 薔薇崎 ねむ

うぅ〜ん…ねむも、四つの税率をおまじないみたいに何度も唱えてみたのぉ。
基本・暫定・協定・特恵って口に出すと、なんだか自然に順番も浮かんでくる気がするのぉ。
えへへ、これならテストでもぱっと思い出せそうなのぉ。

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

先生、ここでよくある間違いって何かありますか?
あたし、テストで足をすくわれたくないので、いまのうちに知っておきたいんです。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

いい心がけね、アキちゃん。
ありがちなのは、暫定税率も特恵税率も関税定率法にあると思い込む誤りよ。
暫定税率と特恵の根拠は関税暫定措置法、基本税率だけが関税定率法。
この対応を取り違えないことが、まず第一の関門なの。

薔薇崎 ねむ(笑顔) 薔薇崎 ねむ

えへへ、ねむは『きほんは定率法、ざんてい・とっけいは暫定措置法、きょうていは条約』ってリズムで唱えるのぉ。
根拠になる法律を取り違えなければ、四種類の税率でつまずくことはもうなさそうなのぉ。
しっかり口ずさむのぉ。

確認クイズ

関税定率法の別表(関税率表)に定められ、長期的な基準となる基礎的な税率はどれか。

  1. 暫定税率
  2. 基本税率
  3. 協定税率
  4. 特恵税率
こたえを見る

正解: 2. 基本税率

選択肢2の基本税率が正解です。関税定率法の別表に定められた基礎的な税率で、長期的な基準となります。選択肢1の暫定税率は関税暫定措置法に基づき期間限定で適用され、選択肢3の協定税率は条約に基づき、選択肢4の特恵税率は開発途上国の原産品を対象とします。

灰原さや、紺野アキが体育館でバドミントンを楽しむ様子

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