関税率表を開くと、同じ品物にいくつも税率が並んでいて驚きます。まずは税率の種類とその全体像を、先生と3人でつかんでいきましょう。ここがあいまいだと、後の適用順位や税額の計算がぐらついてしまう、最初の土台になる論点です。腰を据えて取り組みましょう。
先生!
関税率表を見てたら、同じ品物に税率がいくつも書いてあってパニックです。
えーっ!
なんで一つじゃないの?
バドのラケットひとつに値札が4枚ぶら下がってる感じで、どれで払えばいいのか全然わかんないよぉ。
頭がぐるぐるしてます。
落ち着いて大丈夫よ、アキちゃん。
税率にはね、大きく分けて4つの種類があるの。
順番に見ていけば、ちゃんと整理できるから焦らないでね。
まずは基本税率。
これは関税定率法の別表、つまり関税率表そのものに定められた、いちばん基礎になる税率なのよ。
国内の産業事情などをふまえて、長い目で決められているの。
つまり、国内法によって長期的な基準として定められた税率、という理解で合っていますか?
経済情勢がすぐ変わっても、簡単には動かさない、いわば土台の税率という位置づけですね。
私はそう捉えました。
ええ、その通り。
よく整理できているわ、さやちゃん。
次に暫定税率。
これは関税暫定措置法という別の法律で、一定の期間に限って基本税率に代えて適用される税率なの。
経済や政策の事情で、期間を区切って基本税率を修正したいときに使うのよ。
だから『暫定』という名前が付いているの。
永久ではなく、あくまで一時的なものね。
うぅ〜ん…暫定って『とりあえず今だけ』みたいな意味なのぉ?
ねむ、なんとなく分かってきた気がするのぉ。
期間限定のセール価格みたいな感じなのぉ?
そういうイメージで合ってるのぉ?
ねむちゃん、いい感覚ね。
まさに期間限定の税率よ。
その言い換え、とても分かりやすいわ。
感心しちゃう。
三つ目が協定税率。
これは条約に基づく税率で、WTO協定税率やEPA、つまり経済連携協定の税率がこれにあたるの。
国どうしの約束から生まれる税率ね。
補足すると、WTO協定税率は最恵国待遇として、原則すべての加盟国からの輸入に及ぶものですね。
特定の相手国だけを優遇するのではなく、加盟国全体に等しく約束した上限の税率、という理解でよいでしょうか。
念のため確認させてください。
さすがさやちゃん、正確ね。
条約で約束した上限だから、国内の基本税率や暫定税率より低ければ、そちらが使われることになるのよ。
そして四つ目が特恵税率。
開発途上国からの輸入を後押しするために、税を軽くしたり無税にしたりする、特別に低い税率なの。
支援のための税率、と覚えるといいわ。
えーっ、途上国だけ特別に安くしてあげるんだ。
なんだかやさしい制度だなぁ。
ちょっと感動しちゃった。
でも、それってどの国でも使えるんですか?
誰でもってわけじゃなさそう…条件がありそうな気がします。
いい着眼ね、アキちゃん。
特恵は政令で指定された国が対象で、原産地の証明なども必要なの。
詳しくは後の記事でじっくりやりましょうね。
まずは基本・暫定・協定・特恵の4つを主役として押さえれば十分よ。
便益関税など他の税率もあるけれど、あくまで例外的な位置づけと考えてね。
えへへ、4つの名前、なんとか覚えられそうなのぉ。
呪文みたいに唱えてみるのぉ。
でも先生、この4つって、それぞれ根拠になる法律が違うのぉ?
ちょっと気になったのぉ。
よく気づいたわね、ねむちゃん。
そこがとても大事なの。
基本税率は関税定率法、暫定税率と特恵税率は関税暫定措置法、協定税率は条約が根拠よ。
税率と法律をセットで覚えておくと、後の学習がぐっと楽になるわ。
ここまでで、税率の地図が一枚できあがったわね。
よくがんばりました。
よっしゃ、基本・暫定・協定・特恵の4つ!
バド部のポジション4つみたいに、体で覚えるぞ!
根拠の法律もセットで頭に入れます!
あたし、今日ので税率の全体像がつかめました。
基本税率は関税定率法の別表に定めた長期の基準、暫定税率は関税暫定措置法で期間限定、協定税率は条約、特恵税率は途上国支援のための低い税率。
この四本柱を、根拠になる法律とセットで頭に入れておきます。
つまり、名前だけを丸暗記するのではなく、それぞれが『どんな目的で、どの法律から生まれたか』まで押さえるのが近道、ということですね。
私も、四種類の税率を一枚の表に整理して、目的と根拠法を横に並べて覚えるようにします。
うぅ〜ん…ねむも、四つの税率をおまじないみたいに何度も唱えてみたのぉ。
基本・暫定・協定・特恵って口に出すと、なんだか自然に順番も浮かんでくる気がするのぉ。
えへへ、これならテストでもぱっと思い出せそうなのぉ。
先生、ここでよくある間違いって何かありますか?
あたし、テストで足をすくわれたくないので、いまのうちに知っておきたいんです。
いい心がけね、アキちゃん。
ありがちなのは、暫定税率も特恵税率も関税定率法にあると思い込む誤りよ。
暫定税率と特恵の根拠は関税暫定措置法、基本税率だけが関税定率法。
この対応を取り違えないことが、まず第一の関門なの。
えへへ、ねむは『きほんは定率法、ざんてい・とっけいは暫定措置法、きょうていは条約』ってリズムで唱えるのぉ。
根拠になる法律を取り違えなければ、四種類の税率でつまずくことはもうなさそうなのぉ。
しっかり口ずさむのぉ。
確認クイズ
関税定率法の別表(関税率表)に定められ、長期的な基準となる基礎的な税率はどれか。
- 暫定税率
- 基本税率
- 協定税率
- 特恵税率
こたえを見る
正解: 2. 基本税率
選択肢2の基本税率が正解です。関税定率法の別表に定められた基礎的な税率で、長期的な基準となります。選択肢1の暫定税率は関税暫定措置法に基づき期間限定で適用され、選択肢3の協定税率は条約に基づき、選択肢4の特恵税率は開発途上国の原産品を対象とします。