最後は少し特殊な場面です。外国へ向かう船や飛行機に、燃料や食料を積み込むときの扱い。内国貨物であっても、外国へ出ていく船に積む行為は輸出に準じて管理されます。初回に学んだ用語の定義とつなげて、締めくくりの論点を見ていきましょう。
せんせぇ、外国へ行く船に積む燃料や食べ物って、どういう扱いになるんですかぁ?
ふつうの国内の物とは違うんですかぁ?
いい締めの質問ね、ねむちゃん。
外国貿易船や外国貿易機に燃料や飲食物などを積み込むには、税関長の承認が要るの。
これを船用品・機用品の積込みというわ。
ただの買い物のようでいて、外国へ出ていく乗り物に積むから、特別な扱いになるのよ。
船用品は船に積むもの、機用品は航空機に積むもの、という理解で合っていますか?
名前のとおりに対応している、と。
その通りよ、さやちゃん。
船用品は外国貿易船に、機用品は外国貿易機に積み込む消耗品や燃料など。
名前と積む対象がそのまま対応しているの。
ここは素直に覚えられるわね。
ただし、どちらも積込みには税関長の承認が必要という点は忘れないで。
でもさ、その燃料が内国貨物なら、ただの国内の普通の物じゃん。
なんでわざわざ税関の承認がいるの?
国内で買った物なのに。
鋭い疑問ね、アキちゃん。
まさにそこが今日の核心なの。
外国へ出ていく船に積むということは、実質的にその物を外国へ送り出すことに近いでしょう。
国の外へ持ち出されるのだから、輸出に準じてきちんと管理する必要があるの。
だから国内の物でも承認が要るのよ。
そこですね。
一定の場合には、内国貨物であっても輸出とみなす扱いになる、と。
国内の物が、法律上は輸出として扱われる場面があるのですね。
ええ、その理解で正解よ、さやちゃん。
承認を受けて船用品・機用品として積み込む内国貨物は、輸出とみなして取り扱われる場合があるの。
国内の物でも、外へ出ていくなら輸出扱い。
第一回で学んだ『輸出は内国貨物を外国へ送り出すこと』という定義が、ここで効いてくるわけね。
うぅ〜ん、じゃあ税関長の承認さえもらえば、どれだけでも好きなだけ積んでいいんですかぁ?
燃料たっぷり、みたいなぁ。
いいえ、そうはいかないの、ねむちゃん。
承認された数量や期間の枠があるのよ。
承認どおりにきちんと積み込まれないと、原則としてその貨物に関税が徴収されることもあるの。
承認は『何でも自由に許す』ものではなく、あくまで条件つき。
枠の中で、という前提を忘れないでね。
なるほど、外に出す前提でみなしてもらってるんだから、ちゃんと出したかどうか確認されるってことか。
ズルはできないんだね。
第一回で学んだ『輸出とは内国貨物を外国へ送り出すこと』という定義と、この船用品の話が、きれいに一本の線でつながりましたね。
船用品の積込みは、その定義の応用形なのだと理解できました。
見事な締めよ、さやちゃん。
最初に学んだ用語の定義が、最後のこの論点まで一本の線でつながっている。
だから初回の定義があれほど大事だったの。
ここまで来たあなたたちなら、関税法の骨格はもうしっかり手に入っているわ。
せんせぇ、ここまで学んできて、関税法ってぜんぶバラバラな決まりの寄せ集め、って感じがしていたんですけどぉ…違うんですかぁ?
とてもいい振り返りね、ねむちゃん。
実はバラバラではないの。
輸出入の定義、通関の流れ、申告と納税、保税制度。
どれも『外国貨物をいつ、どこで、どう管理し、いつ課税するか』という一本の問いでつながっているのよ。
つまり、身分・場所・時期・課税という共通の物差しで、すべての論点を並べ直せる、という理解でよいですね。
今日の船用品も、その物差しの上にある、と。
その通りよ、さやちゃん。
一つの物差しで全体を見渡せるようになれば、細かい特例も怖くない。
ここまで来たあなたたちは、もう関税法の地図を手にしているわ。
胸を張っていいのよ。
船用品・機用品は承認が必要、内国貨物でも輸出とみなす場合あり、でも数量と期間の枠つき!
最後までバッチリ覚えたっ。
確認クイズ
外国貿易船への内国貨物である船用品の積込みに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 内国貨物であるため、税関長の承認は一切不要である
- 外国貿易船・機への積込みには税関長の承認が必要で、一定の場合は輸出とみなされる
- 承認された数量を超えて、自由に積み込むことができる
- 船用品は外国貿易機に、機用品は外国貿易船に積み込むものである
こたえを見る
正解: 2. 外国貿易船・機への積込みには税関長の承認が必要で、一定の場合は輸出とみなされる
正解は選択肢2。船用品・機用品の積込みには税関長の承認が必要で、内国貨物であっても一定の場合は輸出とみなされます。承認は必要で(選択肢1は誤り)、数量等の枠があり(選択肢3は誤り)、船用品は船に・機用品は機に積み込みます(選択肢4は逆)。