通関業者は、なぜ・どこに通関士を置かなければならないのでしょうか。設置義務の範囲と例外を会話で正確に押さえます。『専任』と『通関業務を行う営業所ごと』がキーワードです。キーワードは『専任』と『通関業務を行う営業所ごと』という二つです。さらに、通関業務を行わない営業所や政令で定める場合という例外の存在も見逃せません。原則と例外を必ずセットで覚えることが、『すべての営業所に必ず置く』といったひっかけへの、いちばんの対策になります。
先生、通関士さんって、どこの営業所にもかならず置かなきゃいけないのぉ?
全部の営業所に一人ずつ、みたいな感じなのぉ?
いい質問ね、ねむちゃん。
原則として、通関業者は通関士の設置義務を負うの。
ただし『どこにでも』ではなくて、通関業務を行う営業所ごとに、という限定が付くのよ。
ここが大事なところ。
確認ですが、キーワードは専任という点でしょうか。
単にその営業所に在籍しているだけでは、設置したことにならないのですね。
さすがさやちゃん、そこが核心よ。
ただ名前があるだけ、籍があるだけではダメで、その営業所の通関業務に専ら従事する通関士でなければならないの。
他の営業所と掛け持ちで、名ばかり、というのは認められないのよ。
えーっ、営業所ごとに専任って、けっこう厳しくない?
なんでそこまで手間をかけさせるの?
他人の申告書を審査する専門家が、その現場にいないと、いい加減な書類がそのまま通ってしまうでしょう、アキちゃん。
だから通関業務を行う現場ごとに、責任を持って審査する通関士を必ず置かせるの。
現場に責任者を、という発想ね。
うぅ〜ん…じゃあ、どんな営業所でも絶対に置かなきゃダメなのぉ?
例外はまったくないのぉ?
例外もあるのよ、ねむちゃん。
そもそも通関業務を行わない営業所には置かなくてよいの。
それに、その営業所で扱う通関業務が政令で定める種類の貨物だけに関するものである場合など、政令で定める場合には設置義務が及ばないの。
原則には、ちゃんと例外の余地があるのよ。
整理すると、原則は『通関業務を行う営業所ごとに専任の通関士』、例外として『通関業務を行わない営業所や政令で定める場合』は不要、ということですね。
原則と例外をセットで覚える必要がありますね。
完璧な整理よ、さやちゃん。
試験では『すべての営業所に必ず置かなければならない』というひっかけがよく出るの。
通関業務を行う営業所が対象、という限定を落とすと引っかかってしまうから、そこは要注意ね。
要は『通関業務をやる現場には、専任の見張り役を必ず置け』ってことね。
試合でいう審判みたいなもんか。
試合をやらないコートに審判はいらない、と。
うまい例えね、アキちゃん。
試合をやる現場にだけ審判を置く、まさにそのイメージ。
現場に責任者を置くという趣旨と、『専任』『通関業務を行う営業所ごと』というキーワードを押さえれば、この論点は大丈夫よ。
確認ですが、置くべき通関士が欠けてしまった場合、たとえば退職などで営業所に通関士がいなくなったときは、どうなるのでしょうか。
現場で本当に起こりうる大事な問いね、さやちゃん。
専任の通関士を置く義務がある以上、その営業所で通関士が欠けた状態のまま通関業務を続けることはできないの。
だから通関業者は、速やかに新たな通関士を確保して、置くべき状態を回復しなければならないのよ。
しかも前にやったように、通関士に関する事項に変更があったときは財務大臣への届出も必要になる。
設置義務は一度満たせば終わりではなく、通関業務を行う間ずっと維持し続けるもの、と理解しておいて。
『専任』『営業所ごと』に加えて、この継続性まで押さえれば、設置義務の論点は盤石よ。
確認クイズ
通関士の設置義務に関する記述として、通関業法上、最も適切なものはどれか。
- 通関業者は、通関業務を行うかどうかにかかわらず、すべての営業所に通関士を置かなければならない
- 通関業者は、通関業務を行う営業所ごとに、専任の通関士を置かなければならないのが原則である
- 通関士は、複数の営業所を自由に掛け持ちすることが常に認められている
- 通関業務を行う営業所であっても、通関士を置く義務は一切ない
こたえを見る
正解: 2. 通関業者は、通関業務を行う営業所ごとに、専任の通関士を置かなければならないのが原則である
正解は選択肢2。通関業者は通関業務を行う営業所ごとに専任の通関士を置くのが原則です。選択肢1は通関業務を行わない営業所等の例外を無視しており誤り、選択肢3は『専任』の趣旨に反するため誤り、選択肢4は設置義務そのものを否定しており誤りです。