いくら申請しても、一定の事情がある人には許可が与えられません。これを欠格事由といいます。代表的な事由を会話で押さえましょう。共通する『3年』というキーワードが得点源です。ここで何度も登場するのが『3年』というキーワードです。拘禁刑以上の刑、関税法や通関業法違反の罰金刑、そして許可の取消し。いずれも3年という同じ数字でそろえて覚えられます。いっぽう破産だけは『復権を得ない間』という別の物差しになる点も、あわせて押さえておきましょう。一つでも欠格事由に当たれば、どれほど能力があっても許可は受けられません。それだけ通関業には高い信頼性が求められている、ということもあわせて感じ取っておきましょう。
先生、前回『欠格事由に当たる人は許可されない』とありました。
具体的には、どのような人がこれに該当するのでしょうか。
整理して説明するわね、さやちゃん。欠格事由に当たると、財務大臣は許可してはならないの。
ここは裁量ではなく、当たれば必ず不許可、という点がまず大事。
では代表例を順に挙げていくわ。
まず破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者。
次に、拘禁刑以上の刑に処せられて、その執行が終わった日などから三年を経過しない者よ。
刑を終えてすぐ、というわけにはいかないの。
えーっ、三年も待たなきゃダメなの?
けっこう厳しいなぁ。
なんでそんなに長いの?
他人の税に関わる仕事だからこそ厳しいのよ、アキちゃん。
続けるわね。
関税法や通関業法に違反して罰金刑を受けた場合も、三年を経過しないと欠格。
それに、通関業の許可を取り消されて三年を経過しない者もね。
ほら、三年がそろってきたでしょう。
うぅ〜ん…心や体の具合で、お仕事がちゃんとできない場合はどうなるのぉ?
それも欠格になっちゃうのぉ?
心身の故障により通関業務を適正に行えない者として政令で定めるものも、欠格事由に含まれるの。
それから暴力団員やその関係者もね。
信頼して他人の申告を任せられるか、という観点で線が引かれていると考えると分かりやすいわ。
会社の場合はどう考えますか。
個人ではなく法人にも、これらの欠格事由は及ぶのでしょうか。
いい質問ね、さやちゃん。
法人については、その役員のうちに今挙げたような欠格事由に当たる人がいると、その法人自体が許可を受けられないの。
トップに問題があれば会社ごとアウト、という考え方。
個人だけでなく法人も同じ物差しで見るのよ。
要は『信用できない人には入口で門前払い』ってことね。
そして三年っていう数字が、何度も何度も出てくるのがミソか。
まさにそこがポイント、アキちゃん。
拘禁刑以上の刑、関税法・通関業法違反の罰金刑、許可の取消し、いずれも『三年』でそろえて覚えると混乱しないの。
破産だけは『復権を得ない間』という別の物差しだから、そこだけ区別しておいてね。
ここは絶対に落とせないわ。
えへへ、三年でそろえて、破産だけは復権がカギ、ってリズムで覚えればいいんですねぇ。
ねむ、なんだか整理できましたぁ。
補足で確認させてください。
欠格事由に当たるかどうかは、いつの時点で判断するのでしょうか。
申請時だけ見ればよいのですか。
鋭い問いね、さやちゃん。
欠格事由は、許可の申請時に当たっていれば許可されないのはもちろん、許可を受けた後に当たるようになった場合も見逃されないの。
前の回で少し触れたけれど、既に通関業者になっている人が欠格事由に該当するに至ったときは、それが許可の取消しの原因になるのよ。
つまり欠格事由は入口の審査基準であると同時に、業を続けるあいだずっと保ち続けるべき条件でもあるの。
だから欠格事由は、許可・取消しの両方の論点にまたがって出題される、と意識しておくと得点につながるわ。
確認クイズ
通関業の許可の欠格事由に関する記述として、通関業法上、正しいものはどれか。
- 破産手続開始の決定を受けた者は、復権を得ても永久に許可を受けられない
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から3年を経過しない者は欠格事由に該当する
- 法人の役員に欠格事由に該当する者がいても、法人自体は当然に許可を受けられる
- 通関業の許可を取り消された者は、取消しの翌日から許可を受けることができる
こたえを見る
正解: 2. 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から3年を経過しない者は欠格事由に該当する
正解は選択肢2。拘禁刑以上の刑の執行終了等から3年を経過しない者は欠格事由に該当します。選択肢1は復権を得れば欠格でなくなるため誤り、選択肢3は役員に欠格事由があれば法人も許可されないため誤り、選択肢4も許可取消しから3年を経過しないと欠格のため誤りです。