通関士試験の入口となる「通関業法は何のためにあるのか」「そもそも通関業・通関業務とは何か」を、法律の目的条文から会話でほどいていきます。まずはここを固めると、後の論点がすべてつながって見えてきます。
先生!
通関業法って、いきなり最初から難しそうな名前じゃん。
あたし、法律って聞くだけで身構えちゃうんだけど、要はどういう法律なの?
ふふ、焦らなくていいわ、アキちゃん。
まずは目的から入りましょう。通関業法はね、通関業を営む人の業務を規制して、通関士という専門家を置かせて、通関手続がきちんと、そして速やかに行われるようにするための法律なの。
むやみに難しく考えなくて大丈夫よ。
つまり、目的は大きく二つという理解で合っていますか。
ひとつは通関業を営む者を規制すること、もうひとつはその規制を通じて通関手続の適正かつ迅速な実施を確保すること。
手段と目的が組になっている、と読み解きました。
その整理で完璧よ、さやちゃん。
規制という手段で、適正かつ迅速な通関という結果を守る。
試験でも『適正かつ迅速』という言い回しはそのまま出るから、キーワードとして頭に刻んでおいてね。
ここが全体の土台になるわ。
うぅ〜ん…そもそも「通関業」って何をするお仕事なのぉ?
ねむ、まだそこがふわふわしていますぅ。
いい問いね、ねむちゃん。通関業というのは、業として、つまり反復継続して通関業務を行うことをいうの。
ここでいちばん大事なのは『他人の依頼で』行う、というところ。
自分のためではなく、人のために引き受ける点がカギなのよ。
補足すると、自分の会社の貨物を自分で申告するいわゆる自社通関は、他人の依頼ではないので通関業には当たらない、という理解で合っていますか。
だから許可も要らない、と。
その通り、さやちゃん。
自社通関には許可は要らないの。
あくまで他人のために、報酬を得て反復して行うからこそ、専門家の関与や許可という規制が必要になる。
ここは自分ごとと他人ごとの線引きだと思うと分かりやすいわ。
なるほど!
他人の頼みごとを、仕事として繰り返し引き受けるから、資格や許可でしばるんだ。
じゃあ通関業務って、具体的には何をやるの?
大きく三本柱よ。
ひとつめが輸出入の申告など通関手続の代理・代行、ふたつめが税関に対してする主張や陳述の代理、みっつめが通関書類の作成。
この三つが通関業務の中身。
逆にいえば、この三つのどれかを他人のために業として行えば通関業になる、と覚えておいて。
それって…お客さんの代わりに、税関とやりとりしてあげる専門家、ってことなのぉ?
うまい言い方ね、ねむちゃん。
まさに依頼者と税関のあいだに立つ専門家。
人の税金や貨物という大切なものを預かるからこそ、適正さが強く求められるの。
だから通関業法という一本の法律で、入口から出口まで規律しているのよ。
ここは絶対に落とせないわ。
目的・通関業・通関業務、この三点を最初に押さえると、以降の許可や通関士の話がすべてこの土台の上に乗ってくる、というわけですね。
頭が整理できました。
最後にもう一個だけ!
『通関業』と『通関業務』って名前が似すぎてて、試験で入れ替えられたら絶対に引っかかりそう。
どう区別すればいいの?
コツを教えて先生!
いい詰めね、アキちゃん。
『通関業務』は中身そのもの、つまり輸出入の申告や税関への主張・陳述、それに書類の作成といった具体的な事務を指すの。
いっぽう『通関業』は、その通関業務を業として、つまり反復継続して営むこと。
中身が通関業務で、それを仕事として続ける形が通関業、と押さえれば取り違えないわ。
さらに、どちらも土台には『他人の依頼による』という前提があるのを忘れないで。
定義は丸暗記より、この三つの言葉を自分の口で説明できるようにしておくと、どんな言い換えで出題されても崩れないわよ。
確認クイズ
通関業法の目的に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 関税の税率を定め、国の歳入を確保することを目的とする
- 通関業を営む者を規制し、通関手続の適正かつ迅速な実施を確保することを目的とする
- 輸入貨物の安全性を検査し、国内消費者を保護することを目的とする
- 貿易額を統計として集計し、経済政策に役立てることを目的とする
こたえを見る
正解: 2. 通関業を営む者を規制し、通関手続の適正かつ迅速な実施を確保することを目的とする
正解は選択肢2。通関業法は通関業を営む者の業務を規制し、通関士の設置等を定めることで、通関手続の適正かつ迅速な実施を確保することを目的とします。選択肢1は関税定率法などの税率に関する法令、選択肢3は食品衛生法等の他法令、選択肢4は貿易統計に関するもので、いずれも通関業法の目的ではありません。