通関業の許可の消滅と取消し

自動的に効力を失う許可の消滅と、制裁として奪われる取消しの違いを、原因の対比で整理します。

編集・検証: 通関士スタディ編集部 公式情報: 税関 (財務省) 通関士試験のご案内 制作・検証方針

いったん得た許可も、一定の事情で効力を失います。自動的に消える「消滅」と、制裁として奪われる「取消し」の違いが試験の狙い目です。原因の性格の違いを対比で押さえましょう。結果はどちらも『許可がなくなる』という同じ状態ですが、そこに至る原因の性格はまったく違います。落ち度と関係なく自動的に効力を失うのが消滅、違反への制裁として奪われるのが取消しです。さらに、意見を聴く手続が要るかどうかという手続面の違いまで含めて、この対比こそが出題の急所になります。消滅か取消しか、という区別は事例問題でそのまま問われます。原因を見ればどちらかを見分けられるよう、代表的な場面を一つひとつ確認していきましょう。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

先生、許可はいったん受けたら、ずっと有効なのでしょうか。
それとも失われることがあるのでしょうか。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

失われることがあるのよ、さやちゃん。
しかも二つの道があるの。
一つは自動的に効力を失う許可の消滅、もう一つは制裁として奪われる許可の取消しよ。
この二つは原因の性格がまるで違うから、しっかり分けて理解してね。

薔薇崎 ねむ(普段) 薔薇崎 ねむ

うぅ〜ん…消滅と取消し、どう違うのぉ?
どっちも結局は許可がなくなるのに、区別する意味があるのぉ?

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

いい疑問ね、ねむちゃん。
消滅は本人の落ち度と関係なく、ある事実が起きたら当然になくなるもの。
取消しは、悪いことをしたことへの制裁として財務大臣が奪うもの。
結果は同じ『許可がない』でも、そこに至る理由がまったく別なの。
だから試験でも区別が問われるのよ。

紺野 アキ(普段) 紺野 アキ

消滅のほうって、具体的にどんな時に起きるの?
自動的にって言われても、いまいちピンとこなくて。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

たとえば通関業を廃止したとき、個人の通関業者が死亡したとき、法人が合併で消滅したとき、破産手続開始の決定を受けたとき、合併・破産以外の理由で解散したとき。
こういう事実が起きると、処分を待つまでもなく許可は消滅するの。
業を続ける主体そのものがなくなる場面、と考えると分かりやすいわ。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

つまり消滅は、業を続ける主体が消えたり、業をやめたりした場合ですね。
制裁とは無関係に、事実の発生によって当然に効力を失う、と理解しました。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

その通り、さやちゃん。
では取消しはどうかしら。
偽りその他不正の手段で許可を受けたとき、欠格事由に当たるようになったとき、許可の条件に違反したとき。
これらが取消しの原因よ。
どれも『よくない行為や状態』が引き金になっているでしょう。

紺野 アキ(笑い) 紺野 アキ

なるほど。
消滅は『いなくなった・やめた』、取消しは『悪いことをした』ってざっくり分けられるね。
原因を見れば、どっちか見分けられそう。

銀城 ナディア 先生(普段) 銀城 ナディア 先生

見事な要約ね、アキちゃん。
ちなみに取消しをするときは、財務大臣は事前に相手の意見を聴く手続をとる必要があるの。
制裁として重い効果を及ぼすからこそ、手続は慎重に、というわけね。
消滅にはそういう手続はいらないわ。

薔薇崎 ねむ(笑顔) 薔薇崎 ねむ

えへへ、悪いことをした人にも、ちゃんと言い分を聞いてあげるってことなのぉ?
なんだか公平ですぅ。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

そうよ、ねむちゃん。
手続の公正さも法律の大事な要素なの。
消滅と取消しは、原因の性格と、意見を聴く手続の有無、この二つの軸で対比すれば、もう迷わないわ。

灰原 さや(普段) 灰原 さや

確認ですが、許可の消滅の場合、誰かが財務大臣に知らせる必要はあるのでしょうか。
自動的に消えるとしても、届出のような手続が要りそうに思うのですが。

銀城 ナディア 先生(笑顔) 銀城 ナディア 先生

実務的で良い視点ね、さやちゃん。
効力が自動的に失われる消滅であっても、廃止や死亡、解散といった消滅の原因が生じたときは、その旨を財務大臣に届け出るべきものとされているの。
効力が消えることと、それを届け出ることは別の話、というわけね。
取消しのように意見を聴く手続は要らないけれど、事実の発生を知らせる届出は残る、と整理しておいて。
消滅は『自動的に効力を失う+原因発生の届出』、取消しは『制裁として奪う+事前に意見を聴く』。
この手続面の違いまで押さえると、消滅と取消しの対比が完成するわ。

確認クイズ

通関業の許可の消滅の事由に当たるものはどれか。

  1. 偽りその他不正の手段により許可を受けたことが判明した
  2. 許可に付された条件に違反した
  3. 個人の通関業者が死亡した
  4. 欠格事由に該当するに至った
こたえを見る

正解: 3. 個人の通関業者が死亡した

正解は選択肢3。個人の通関業者の死亡は、許可が自動的に効力を失う消滅の事由です。選択肢1・2・4はいずれも財務大臣が制裁として許可を奪う取消しの事由であり、消滅とは原因の性格が異なります。

灰原さや、紺野アキが体育館でバスケットボールを楽しむ様子

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