財務大臣は、どんな基準で許可の可否を判断するのでしょうか。また許可に付ける「条件」とは何かを、会話で整理します。欠格事由という消極要件だけでなく、積極的な適格性の審査があります。欠格事由という『マイナスがないこと』だけでは、許可はもらえません。経営の基礎が確実か、業務を適正かつ確実に遂行できるか、という積極的な適格性まで審査されます。さらに、財務大臣が許可に付すことのできる『条件』の意味と、その条件にかかる歯止めについても、あわせて確認していきます。
先生、欠格事由に当たらなければ、みんな許可もらえるの?
もう安心していいの?
それだけでは足りないのよ、アキちゃん。
財務大臣は許可の基準に照らして審査するの。
欠格事由がないことは最低ラインで、その上で積極的にふさわしいかどうかを見る。
大きく二つの視点があるわ。
つまり、欠格事由という『マイナスがないこと』に加えて、積極的な『適格性があること』も審査する、という二段構えの理解で合っていますか。
その整理で正しいわ、さやちゃん。
一つ目が経理的基礎と人的構成の面、つまり経営の基礎が確実かどうか。
二つ目が、通関業務を適正かつ確実に遂行できる能力があるかどうか。
経営面と業務遂行面、両方から適格性を測るの。
うぅ〜ん…経営の基礎って、むずかしい言葉ですぅ。
要は、お金がちゃんとあるか、ってことなのぉ?
うまく噛み砕いたわね、ねむちゃん。
資力や信用があって、業務をきちんと回せる人の体制が整っているか。
そこを見るのよ。
だから営業所ごとに通関士を置けるかどうかも、人的構成として大事な判断要素になるの。
お金と人、両輪だと思ってね。
なるほど。
じゃあ『条件を付す』ってのは何?
許可にオマケが付いてくるってこと?
ふふ、面白い言い方ね。
財務大臣は許可に条件を付けたり、その条件を変更したりできるの。
たとえば取り扱える貨物の種類を限定する、といった形ね。
許可はあげるけれど、この枠の中でね、というイメージよ。
その条件には歯止めはあるのでしょうか。
財務大臣が自由に何でも付けられるとすると、実質的な不許可にもなりかねない気がするのですが。
さすがの視点ね、さやちゃん。
条件は許可の趣旨に照らして必要最小限度でなければならず、不当な義務を課すようなものは許されないの。
公正さが求められる、というのが大事なところ。
歯止めがあるからこそ、条件は制度として認められているのよ。
要は、許可はあげるけど『この範囲でね』って枠をはめられることがある、ってことか。
試合でいうハンデ戦みたいだね。
ただし理不尽なハンデはダメ、と。
うまいたとえね、アキちゃん。
基準で適格性を測り、必要なら条件で枠をはめる。
ただしその枠は必要最小限度。
この二段構えを押さえておけば、許可の中身の問題は迷わないわ。
えへへ、審査でふさわしさを見て、必要なら枠をはめる、でもやりすぎはダメ。
ねむ、ちゃんとつながりましたぁ。
先生、許可に条件が付くのは分かったけど、もし後から『この条件、もういらないな』ってなったらどうなるの?
ずっとそのままなの?
いい着眼ね、アキちゃん。
条件は付けて終わり、ではないの。
財務大臣は許可に条件を付すだけでなく、その条件を変更することもできるとされているのよ。
事情が変われば、取扱貨物の限定をゆるめたり、必要に応じて見直したりできる、というわけ。
ただし変更後の条件も、やはり許可の趣旨に照らして必要最小限度でなければならず、不当な義務を課すものは許されない。
この歯止めは変更の場面でも変わらないの。
付す・変更する、どちらも必要最小限度という枠の中で、と押さえておけば条件まわりは万全よ。
確認クイズ
通関業の許可の基準および許可に付す条件に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 財務大臣は、許可の基準として経営の基礎の確実性や業務遂行能力を審査する
- 欠格事由に該当しなければ、経営の基礎を審査することなく必ず許可しなければならない
- 財務大臣は許可に一切の条件を付すことができない
- 許可に付す条件は、許可の趣旨と無関係な内容でも自由に定めることができる
こたえを見る
正解: 1. 財務大臣は、許可の基準として経営の基礎の確実性や業務遂行能力を審査する
正解は選択肢1。財務大臣は経営の基礎の確実性や業務遂行能力といった許可の基準に照らして審査します。選択肢2は基準審査を行うため誤り、選択肢3は条件を付し変更できるため誤り、選択肢4は条件が許可の趣旨に照らし必要最小限度でなければならないため誤りです。