最後は特恵の実務。安い特恵税率を受けるには原産品であることの証明が必要で、第三者証明・自己申告など複数の方式があります。累積制度、そして原産地の虚偽・誤認表示に対する関税法71条の規制まで、この分野の総仕上げをしましょう。証明の方式は時代とともに増えてきました。公的機関が証明する第三者証明から、当事者自身が申告する自己申告へ、という流れをつかむと理解しやすくなります。最後に、原産地の表示をめぐる関税法の規制まで押さえれば、品目分類・原産地の学習は一区切りです。
先生、いよいよ本当に最後だね!
特恵の安い税率って、どうやって『これは本物ですよ』って証明するの?
自分で言うだけでOKなの?
焦らなくていいわ、順に見ていきましょう。
特恵関税を受けるには、原則として『この貨物は本当に原産品ですよ』と示す必要があるの。
その証明の方法が、実は何種類かあるのよ。
時代とともに増えてきた、というのも面白いところね。
まずは伝統的な方法から教えてください。
昔から使われてきた証明のかたちが知りたいです。
昔からあるのが原産地証明書。
一般特恵関税では様式が決まっていて、Form Aと呼ばれる証明書が使われてきたわ。
これは輸出国の発給機関、いわば公的な窓口が発行するものなの。
うぅ〜ん…輸出する国のお役所のような機関が、きちんとお墨付きをくれる、っていう仕組みなんですねぇ。
安心感がありますぅ。
そう。
これを第三者証明制度というの。
当事者ではない第三者が証明する、というわけね。
EPAでも、この発給機関方式が使われることがあるわ。
でも近年は、別の方式も増えてきているのよ。
補足すると、認定輸出者自己証明制度と、自己申告制度ですね。
認定を受けた輸出者や、あるいは輸入者・輸出者・生産者自身が、原産品であることを自ら申告する方式です。
その自己申告のときに使う書類が原産品申告書。
第三者機関の発給を待たずに手続きできるので、より迅速なの。
どの方式が使えるかは、それぞれの協定によって決まっているわ。
それって…『公的な機関が証明してくれる』タイプと、『自分たちで申告する』タイプの、二つの流れがある、っていうことなんですねぇ。
きれいにまとまったわね。
あともう一つ、特恵で大事な仕組みがあるの。
それが累積制度よ。
るいせき?
なんか、積み重ねる、みたいな漢字だね。
どういうことをする制度なの?
そう。
相手の協定国で行われた生産や、相手国の原産材料を、自国のものとみなして原産性を判断できる制度なの。
自分の国だけでは要件を満たせなくても、協定を結んだ国々を合わせて見れば満たせる、という助け舟ね。
補足すると、最後に大切な注意点があります。
原産地について偽った表示や、誤認させる表示のある外国貨物は、関税法第71条により、輸入が認められません。
税関長は、その表示の消去や訂正、あるいは積戻しを命じることができます。
大事な締めね。
虚偽の表示や、誤認させるような表示は、絶対にダメ。
正しく証明し、正しく表示する。
これが原産地の学習の総仕上げよ。
ここは絶対に落とせないわ。
証明の方式、累積制度、そして関税法71条。
この三つを結び直せば、あなたの中で品目分類と原産地が一本の線でつながるはず。
ここまで本当によく頑張ったわね。
確認クイズ
原産地の表示に関する関税法上の取扱いとして正しいものはどれか。
- 原産地を偽った表示があっても輸入は自由に認められる
- 原産地について偽った表示や誤認させる表示のある外国貨物は輸入が認められない
- 原産地表示は義務ではないので虚偽でも問題ない
- 誤認させる表示は輸入許可後に訂正すればよい
こたえを見る
正解: 2. 原産地について偽った表示や誤認させる表示のある外国貨物は輸入が認められない
正解は選択肢2です。関税法第71条により、原産地について偽った表示や誤認させる表示のある外国貨物は輸入が認められず、税関長は表示の消去・訂正や積戻しを命じることができます。選択肢1・選択肢3・選択肢4は、いずれも虚偽・誤認の表示を許容したり後回しにしたりする点で誤りです。正しく原産性を証明し、正しく表示すること。これが特恵の利益を受けるための大前提であり、原産地分野の総まとめとなる重要ポイントです。