通関の第一歩は「この貨物は何番か」を決めること。その土台になるのが、世界共通の商品分類ルールであるHSです。部・類・項・号という階層と、6桁までが国際共通という大原則を、会話でやさしく整理していきましょう。番号の丸暗記ではなく、しくみから理解するのが遠回りに見えて近道です。ここが揺らぐと、このあと学ぶ通則も原産地規則も足場を失ってしまうので、いちばん最初にじっくり固めておく価値があります。
先生、勉強してるとよく出てくる「HS」って何?
ハイスクールのこと?
なんかカッコいい略語だなって思ってたんだよね。
ふふ、元気ね。
HSはHS条約に基づく、世界共通の商品分類のしくみのことよ。
世界税関機構、いわゆるWCOが管理していて、貿易しているほとんどの国が採用しているの。
だから外国の税関と日本の税関が、同じ番号で同じ商品を指せるのよ。
補足すると、世界の大半の国が同じ分類を使うからこそ、関税率や貿易統計を国どうしで比較できるのですね。
もし国ごとにバラバラの分類だったら、輸出入のたびに翻訳のような作業が必要になってしまいます。
うぅ〜ん、分類…って、図書館で本を大きな棚から小さな棚へ、だんだん細かく並べていくみたいなものですかぁ?
ねむちゃん、まさにその感覚。
大きなグループから細かいグループへ段階的に分けていくの。
いちばん大きいのが部、次が類、その下が項、いちばん細かいのが号よ。
上から順に狭くなっていく入れ子構造ね。
部・類・項・号…えーっと、桁数って決まってるの?
ぜんぶ覚えなきゃダメ?
決まっているわ。
類は2桁、項は4桁、号は6桁。
数字がどんどん増えていくイメージね。
そして、この6桁までが世界共通なの。
ここは絶対に落とせない基本よ。
試験でも『6桁まで国際共通』はそのまま問われるくらい大事なの。
つまり、上6桁はどの国でも同じ番号になり、7桁目以降が各国それぞれ、という理解で合っていますか?
ここは境目を正確に覚えておきたいところです。
合っているわ。
そして日本は、その6桁の後ろにさらに細かい統計細分を足して、9桁の統計品目番号にしているの。
細かい商品の動きを国内の統計として把握するためよ。
それって…6桁までは世界みんな共通で、残りの3桁は日本だけのオリジナル、っていうことなのぉ?
そういうことです。
ですから7桁目以降は国によって異なります。
日本の輸出入申告では、この9桁の統計品目番号を使って申告しますね。
番号が長いほど、商品が細かく特定されると考えるとよいです。
なるほど!
部がいちばんデカくて、だんだん細かくなって、最後に日本だけの番号がくっつくんだ。
ちなみに類っていくつあるの?
部は21、類は第1類から第97類まであるの。
ただし第77類だけは将来のために空けてあるのよ。
分類はまず『どの類か』を大づかみして、そこから項、号へと絞り込んでいく。
この順番が体にしみつくと、ぐっと迷わなくなるわ。
『例外はありますか』と聞きたくなりますが、まずはこの階層と、6桁が国際共通という骨組みを固めるのが先決ですね。
細かい例外は、土台ができてから積み上げれば十分です。
確認クイズ
HSコードのうち、世界共通となっているのは何桁までか。
- 2桁(類)まで
- 4桁(項)まで
- 6桁(号)まで
- 9桁(統計品目番号)まで
こたえを見る
正解: 3. 6桁(号)まで
正解は選択肢3の6桁(号)までです。HSは部・類(2桁)・項(4桁)・号(6桁)という階層をもち、号の6桁までが国際的に共通です。選択肢1の2桁(類)、選択肢2の4桁(項)はいずれも共通ですが「共通の限界」ではありません。選択肢4の9桁は日本が統計細分を加えた統計品目番号で、7桁目以降は日本独自ですから世界共通ではありません。境目は『6桁まで共通、7桁目から各国独自』と覚えましょう。この6桁までが世界共通という点は、後で学ぶ関税分類変更基準(HS番号の変化で原産地を判定する考え方)にもつながる、非常に重要な前提知識になります。