開発途上国を支える特恵関税制度を学びます。受益国・原産地・限度額・エスケープクローズ・卒業と、独特の用語が並びます。『途上国を一時的に支える』という制度の思想をつかむと、全体がすっと見通せます。
先生、特恵税率って一番安いんですよね?
じゃあ誰でも使えるんですか?
安いなら、みんなこぞって使いたがりそうですけど…そんなに甘くないですよね。
条件が気になります。
そう単純ではないのよ、アキちゃん。特恵関税制度は開発途上国を支援する制度だから、対象は政令で指定された特恵受益国に限られるの。
どの国からの輸入でも使える、というわけではないの。
まず『どの国が対象か』という入口があるのよ。
ここが第一関門ね。
受益国の中でも、さらに区分があると聞きました。
特に開発が遅れた国には、より手厚い扱いがあるのでしょうか。
詳しく知りたいです。
ええ、さやちゃん。
特に開発が遅れている後発開発途上国、いわゆるLDCは、原則として無税・無枠のより手厚い扱いを受けられるのよ。
支援の必要性が高い国ほど、手厚くしてあげる、という考え方ね。
制度の思想が、ここによく表れているところよ。
うぅ〜ん…受益国から来た品物なら、何でも特恵になるのぉ?
その国のものなら、全部OK、ってわけじゃないのぉ?
ねむ、そこが気になるのぉ。
そこが大事な点よ、ねむちゃん。
その国が原産であること、つまり特恵原産地の要件を満たし、原産地証明書を備えることが必要なの。
よそで作ったものを、その国をただ経由させただけ、では特恵は受けられないのよ。
ちゃんとその国で作られた、という証明がいるの。
えーっ、証明書がいるんだ。
ほかにも条件があります?
ハードルが、思ったよりけっこう高いんですね。
ちゃんと仕組みがあるんだ。
あるわ、アキちゃん。
輸入が増えすぎないよう限度額の仕組みがあったり、国内産業を守るために特恵を止めるエスケープクローズという制度もあるの。
途上国の支援と、国内産業の保護。
そのバランスを取るための仕組みが、いくつも用意されているのよ。
よく考えられているわね。
補足すると、競争力が付いた国や品目を対象から外す『卒業』という仕組みもありますね。
支援がいらなくなれば外す、という考え方でしょうか。
理にかなっていますね。
その通りよ、さやちゃん。卒業ね。
特恵は『途上国を一時的に支える』制度だから、力が付けば対象から外れるの。
この『一時的な支援』という思想を押さえると、限度額もエスケープクローズも卒業も、すべて筋が通って見えてくるわ。
芯が一本あるのよ。
えへへ、受益国・原産地・限度額・卒業。
だんだん地図がつながってきたのぉ。
『一時的に支える』って考えると、なんだか腑に落ちたのぉ。
うれしいのぉ。
特恵は、あたし『途上国を一時的に支える』っていう芯をつかみました。
対象は政令で決めた受益国、後発開発途上国はより手厚い扱い。
しかも原産地の要件と証明書が必要で、限度額やエスケープクローズ、卒業の仕組みもある。
奥が深いですね。
補足すると、単に受益国を経由しただけでは特恵は受けられず、その国の原産であることの証明が要る点が重要ですね。
私は、限度額も卒業も『一時的な支援』という思想から生まれている、と理解すると、全部が筋道立って見えます。
えへへ、ねむは『支援がいらなくなったら卒業』って覚えたのぉ。
力が付いた国や品目は特恵から外れる。
だから、受益国・原産地証明・限度額・卒業を、一時的に支える制度っていう一本の芯でつないで覚えておくのぉ。
すっきりしたのぉ。
先生、特恵で受験生がひっかかりやすいのは、どんなところですか?
あたし、覚えることが多くて、頭がいっぱいなんです。
よくがんばっているわね、アキちゃん。
多いのは、受益国から来た貨物なら何でも特恵、と思い込む誤りよ。
その国の原産であることと、原産地証明書が必要。
ただ経由しただけでは受けられない。
ここが第一の落とし穴なの。
えへへ、ねむは『途上国を一時的に支える』を芯にするのぉ。
受益国、原産地の証明、限度額、そして卒業。
力が付いたら卒業して外れる。
全部この芯でつなげば、覚えることが多くても、ばらばらにならずにすむのぉ。
確認クイズ
特恵関税制度に関する記述として正しいものはどれか。
- 特恵税率はすべての国からの輸入に適用される
- 特恵の適用には特恵原産地の要件充足と原産地証明書が必要である
- 後発開発途上国(LDC)には一般の受益国より不利な扱いがなされる
- 卒業とは受益国を新たに追加する仕組みである
こたえを見る
正解: 2. 特恵の適用には特恵原産地の要件充足と原産地証明書が必要である
選択肢2が正解です。特恵の適用には特恵原産地の要件を満たし原産地証明書を備えることが必要です。選択肢1は誤りで、対象は政令指定の特恵受益国に限られます。選択肢3は誤りで、LDCはより手厚い扱いです。選択肢4は誤りで、卒業は対象からの除外を指します。