通関業者には、してはいけないことがいくつも定められています。名義貸しの禁止・秘密を守る義務・信用失墜行為の禁止という三つの柱を会話で押さえます。根っこは『通関業への信頼を守ること』です。名義貸しの禁止、秘密を守る義務、そして信用失墜行為の禁止。三つをばらばらに丸暗記するより、『通関業という制度への信頼を守る』という共通の目的で束ねてしまうのが近道です。秘密を守る義務が廃業後も続くこと、通関士や従業者にも及ぶことなど、細かい論点もこの軸から引き出せます。これらの義務に違反すれば、監督処分や罰則の対象にもなり得ます。義務の内容だけでなく、その裏に控える制裁とセットで理解しておくと、記憶に残りやすくなります。
先生、通関業者って、いったん許可さえもらえば、あとは何をやっても自由なの?
もう好き放題?
とんでもない、アキちゃん。
守るべき義務がいくつも定められているのよ。
今日は代表的な三つを見ましょう。
どれも『これをしてはいけない』という禁止のかたちで定められているのが特徴ね。
まず名義貸しの禁止。
自分の名義を他人に貸して、その人に通関業をやらせる、というのは禁止されているの。
名前だけ貸す、というのはダメ、ということね。
うぅ〜ん…名義を貸すって、名前だけ貸してあげるってことなのぉ?
なんでそれがいけないのぉ?
親切なだけな気もしますぅ。
許可はね、ねむちゃん、その人だからこそ信頼して与えられたものでしょう。
それなのに名前を貸して、審査を受けていない無資格の他人にやらせたら、あの厳しい審査の意味がまるでなくなってしまうの。
だから固く禁じられているのよ。
二つ目は何でしょうか。
他人の取引に深く関わる仕事ですから、専門家として当然、秘密を守る義務もありそうですが。
その通り、さやちゃん。
通関業者や、その通関士、その他の従業者は、正当な理由なく通関業務で知り得た秘密を、他に漏らしたり盗用したりしてはならないの。
しかも大事なのは、通関業をやめた後も、この義務はずっと続く、という点よ。
えーっ、辞めた後まで守らなきゃいけないの?
それはなかなか厳しいなぁ。
もう関係ないのに。
依頼者の取引情報はとても大切だからこそ、辞めても守り続けるのよ、アキちゃん。
そして三つ目が信用失墜行為の禁止。
通関業者の信用を害するような行為をしてはならない、という義務ね。
整理すると、名義貸しの禁止・秘密を守る義務・信用失墜行為の禁止の三本柱ですね。
いずれも通関業という制度への信頼を守るための規律だ、と理解しました。
バラバラに覚えるより、この共通の目的で束ねると忘れなさそうです。
見事な締めくくりね、さやちゃん。
根っこはすべて『通関業の信頼を守ること』。
この一本の軸で三つをつなげれば、細かい条文もぐっと覚えやすくなるわ。
信頼という言葉を思い出せば、答えを引き出せるはずよ。
えへへ、ぜんぶ『信頼を大事にね』ってことなのぉ。
ねむ、それならやさしく覚えられそうですぅ。
補足で確認させてください。
これらの義務のうち、秘密を守る義務は通関士や従業者にも及ぶとのことでしたが、信用を守るという点で通関士自身にも義務はあるのでしょうか。
よく踏み込んだわね、さやちゃん。
通関業者に信用失墜行為の禁止があるように、通関士についても、その信用を害するような行為をしてはならないという趣旨の規律が及ぶの。
通関士は他人の申告を審査して名前で責任を負う立場だから、その信用が制度全体の土台になっているのよ。
だから名義貸しの禁止・秘密を守る義務・信用の保持は、通関業者だけの話と切り離さず、通関士という専門家にも通じる規律として押さえておくといいわ。
誰の義務か、誰にまで及ぶか、を意識して読むと、義務の条文はぐっと整理されるわよ。
確認クイズ
通関業者の義務に関する記述として、通関業法上、最も適切なものはどれか。
- 通関業者は、自己の名義を他人に通関業のため使用させてはならない
- 通関業者の秘密を守る義務は、通関業を廃止した時点で当然に消滅する
- 秘密を守る義務は通関業者本人にのみ課され、その従業者には及ばない
- 通関業者は、自己の信用を害する行為であっても自由に行うことができる
こたえを見る
正解: 1. 通関業者は、自己の名義を他人に通関業のため使用させてはならない
正解は選択肢1。通関業者は自己の名義を他人に通関業のため使用させてはなりません(名義貸しの禁止)。選択肢2は廃業後も秘密を守る義務が続くため誤り、選択肢3は従業者にも及ぶため誤り、選択肢4は信用失墜行為が禁止されているため誤りです。